世界ランキング9位の日本は、アイルランド(4位)、スコットランド(7位)、ロシア(20位)、サモア(16位)と同居するプールAに入りました。現在のチーム状態を見れば、日本をこのプールの本命に推すことに、それほど抵抗はありません。地の利を生かし、プール戦全勝を目指して戦ってほしいし、今の日本代表はそれがまったく不可能とは思えないくらいの力を持っています。
正直、アイルランドは強敵ですし、スコットランドも前回大会で唯一敗れた国。相性はあまり良くないかもしれません。それに彼らは、こうした国際大会で確実に決勝トーナメントへ勝ち上がる術を知っている。それは、安定してトライを奪えるモールを得意としているということです。ペナルティーをもらって、ボールを蹴り出して、ラインアウトからのモールを押し込んでトライ──。日本はこのモールを止めなくては、スローなテンポのラグビーにお付き合いさせられてしまうでしょう。
だからこそ、彼らと戦う時は規律を守り、反則をできるだけ犯さないこと、そしてモール対策をしっかり立てておくことが肝心です。あとは、上背のある選手をめがけて蹴ってくるキックの処理も上手くやりたいですね。 ロシアとサモアも含め、このプールには身体が大きく、フィジカルの強い国が揃いました。体格で劣る日本は、ボールインプレ―タイムをできるだけ長くし、相手を走らせてスタミナを早い段階で消耗させたい。そして、クイックネスという日本のストロングポイントを、前面に押し出して戦える状況に持ち込みたいところです。
ロシアとサモアに関しては、メンタル面を含めた事前の準備にさえ失敗しなければ、問題なく勝てる相手だと思っています。そして9月22日、アイルランドとスコットランドの直接対決で両チームにダメージが残るような試合展開になれば、日程的にも恵まれた日本に、さらに有利な状況が生まれるのではないでしょうか。
■大西将太郎氏の予想
◎本命 日本
○対抗 アイルランド
△穴 スコットランド
解説●大西将太郎 取材・構成●吉田治良(スポーツライター)
※世界ランキングは2019年8月26日発表分
【解説者プロフィール】
大西将太郎/おおにし・しょうたろう 1978年11月18日生まれ。大阪府東大阪市出身。現役時代はCTBとSOをこなせる万能型のバックスで、キックの名手としても知られた。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)で通算143試合に出場。07-08年シーズンに「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝いた。日本代表には同志社大4年時(00年)に初選出され、通算33キャップ・71得点。 16年の現役引退後は、同志社大や立命館大でバックスコーチを務める。現在は解説者として活躍している。
正直、アイルランドは強敵ですし、スコットランドも前回大会で唯一敗れた国。相性はあまり良くないかもしれません。それに彼らは、こうした国際大会で確実に決勝トーナメントへ勝ち上がる術を知っている。それは、安定してトライを奪えるモールを得意としているということです。ペナルティーをもらって、ボールを蹴り出して、ラインアウトからのモールを押し込んでトライ──。日本はこのモールを止めなくては、スローなテンポのラグビーにお付き合いさせられてしまうでしょう。
だからこそ、彼らと戦う時は規律を守り、反則をできるだけ犯さないこと、そしてモール対策をしっかり立てておくことが肝心です。あとは、上背のある選手をめがけて蹴ってくるキックの処理も上手くやりたいですね。 ロシアとサモアも含め、このプールには身体が大きく、フィジカルの強い国が揃いました。体格で劣る日本は、ボールインプレ―タイムをできるだけ長くし、相手を走らせてスタミナを早い段階で消耗させたい。そして、クイックネスという日本のストロングポイントを、前面に押し出して戦える状況に持ち込みたいところです。
ロシアとサモアに関しては、メンタル面を含めた事前の準備にさえ失敗しなければ、問題なく勝てる相手だと思っています。そして9月22日、アイルランドとスコットランドの直接対決で両チームにダメージが残るような試合展開になれば、日程的にも恵まれた日本に、さらに有利な状況が生まれるのではないでしょうか。
■大西将太郎氏の予想
◎本命 日本
○対抗 アイルランド
△穴 スコットランド
解説●大西将太郎 取材・構成●吉田治良(スポーツライター)
※世界ランキングは2019年8月26日発表分
【解説者プロフィール】
大西将太郎/おおにし・しょうたろう 1978年11月18日生まれ。大阪府東大阪市出身。現役時代はCTBとSOをこなせる万能型のバックスで、キックの名手としても知られた。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)で通算143試合に出場。07-08年シーズンに「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝いた。日本代表には同志社大4年時(00年)に初選出され、通算33キャップ・71得点。 16年の現役引退後は、同志社大や立命館大でバックスコーチを務める。現在は解説者として活躍している。