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コストルナヤの移籍に暗雲…。「提出書類が未着」と露フィギュア連盟の理事長が地元メディアに明かす

THE DIGEST編集部

2020.08.06

プルシェンコ陣営への移籍を予定していたが、暗雲が立ち込めてきたコストルナヤ。(C)Getty Images

 連日メディアを騒がせている昨シーズンのGPファイナル女王、アリョーナ・コストルナヤの移籍に関して、驚きの続報が飛び込んできた。移籍白紙となりかねない手続き上の問題が発生しているようだ。ロシアメディア『RT』が、同国フィギュアスケート連盟のアレクサンダー・コガン理事長にインタビューを行ない、その内容を報じている。

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 先日、メダリストを多数輩出している名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏が自身のSNS上で、コストルナヤとの師弟関係を解消したことを発表した。国際スケート連盟(ISU)「年間スケーティング・アワード2020」で最優秀新人賞に輝いた同選手の新コーチには、現役時代に五輪2大会で金メダル獲得を果たしたエフゲニー・プルシェンコ氏が就任することが明らかとなった。フィギュア界とファンを驚かせたこの移籍をめぐっては、新旧コーチの間で舌戦が勃発するなど、ロシアスケート界が揺れ動いている。

 そして、ここに来てさらに心配なことが発覚した。コガン理事長はインタビューで、「現時点で協会は、コストルナヤとプルシェンコ氏のどちらからも、移籍関連の書類を受理していない」と明かしたのだ。
 
 移籍期間終了前に提出が義務付けられている必要書類が届いていないとのことで、「複数の書類が提出された時点で協会がそれらを精査することになるが、時すでに遅し。決定できることは1つだけだ」とコメント。「今シーズン、コストルナヤが籍を置くことが可能なクラブは唯一。これまでの所属先でサンボ70(ロシア国立トップアスリート養成機関)の(トゥトベリーゼ氏)陣営となる」と発言。協会は、移籍を許可できない状況にあるという。

 コガン理事長は、コストルナヤの移籍について、9月に実施される次回の執行委員会で協議される予定と、協会側の譲歩にわずかな可能性を示唆。その一方で、「私がかねてから申し上げている通り、協会は現行のルールを順守する意向だ。それは、選手のコーチ変更を禁止することや、特定の専門家への師事を強要することはできないということ。しかしながら、移籍期間が終了している以上、別の陣営への移籍は不可能となる」と、協会はあくまでも規定に沿った決定を行なうと強調した。

 移籍が実現しなかった場合、旧陣営にコストルナヤの居場所はあるのだろうか?何よりも選手本人が競技に集中できる環境を確保できるよう願いながら、今後の行方を見守っていきたい。

構成●THE DIGEST編集部