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ゴルフ

渋野日向子が“2度目“の全英で得た課題と収穫。予選落ちは本当に“リンクスの洗礼“だったのか?

山西英希

2020.08.22

今大会の渋野はパットに苦しめられた印象。アゲンストでのパットはショートすることが多かった。(C)Getty Images

今大会の渋野はパットに苦しめられた印象。アゲンストでのパットはショートすることが多かった。(C)Getty Images

 女子ゴルフの海外メジャー今季第1戦「AIG女子オープン(全英女子オープン)」において、日本人初の海外メジャー連覇を期待された渋野日向子だったが、通算12オーバーの105位タイであえなく予選落ちとなった。結果だけを見れば惨敗と言われても仕方ないが、渋野のゴルフは本当に通用しなかったのだろうか。

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 2日間を振り返ってみると、渋野のプレーにブレーキをかけたのが、初日の4番パー5でのトリプルボギーと2日目の7番パー4でのダブルボギーだ。前者はアゴの高いポットバンカーから2度も脱出できなかったことが響き、後者は深いラフからの脱出に手間取ってしまった。大会前から不安視されていたリンクスでの経験不足が如実に表れたともいえる。ただ、スタッツを見る限り、一概にはリンクスの洗礼を受けたとも言い切れない。

 2日間でのフェアウエーキープ率は75パーセント、ドライビングディスタンスは296・25ヤード、パーオン率は50パーセントだ。2日目を終えて通算1アンダーの単独1位となったダニ・ホルムクビストのフェアウエーキープ率は60・7パーセント、ドライビングディスタンスは261・75ヤード、パーオン率は52・8パーセントと、むしろ渋野のほうが上回っていたぐらいだ。
 
 それではなぜ順位にこれだけの差が出たのかと言えば、答えはパット数にある。渋野の63パットに対して、ホルムクビストは54パットに抑えているのだ。「風がすごかったので、真っ直ぐ打つのに必死で、距離感のことまで考えられなかったのが正直なところ」と渋野自身は語るが、確かに好調時のようなアドレスに入る前の集中力は感じられなかった。特に、アゲンストでのパットはショートすることが多く、2日目の最終18番でのパーパットがカップの手前で止まったことが全てを物語っているように見えた。

 それでも、全くタッチが合わなかったわけではない。初日に名物ホールの8番パー3で今大会初のバーディパットを決めた後は、随所に渋野らしいパットを見せていた。2日目ももうこれ以上スコアを落とせない状況となった11番以降、いやらしい2メートル前後のパーパットをしっかり沈めていた。ただ、15番パー4でフォローでのバーディパットを2メートル近くオーバーし、返しを決め切れなかったのが残念でならない。タラレバだが、ここを2パットで乗り切っていれば、上がり3ホールでの2オーバーも違っていた可能性があったからだ。
 

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