オーストリアGPでMotoGPクラス初となる２位表彰台、同じくレッドブルリンクにて２週連続で開催されたスティリアGPでは首位を走るなど、このところ絶好調のジョアン・ミル（チーム・スズキ・エクスター）が、「最高のパートナーと休日モード！」とバカンスを楽しむ様子を自身のSNSで公開した。

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　ビーチでガールフレンドに抱きつかれ、ニッコリ微笑むショットや２人でボートに寝そべって波に揺られる画像を見たファンからは「完全なリフレッシュですね！」「休暇を楽しんで、これまで以上に強くなって戻ってきてください！」「ナイスカップル。彼女がとっても可愛い！」といったコメントに加え、「私の中に嫉妬の卵が産まれました（笑）」とうらやむ声も。

　スティリアGPでは優勝者に新型のBMW M4クーペが贈られたことから「あなたがBMWをもらっていたかも…。素晴らしいレースに感動しました！」「BMWが…。あなたはすでに最高レベルです。すぐにでも優勝する必要があります！」といった応援メッセージも書き込まれた。

　３番グリッド（予選順位は４位。ヨハン・ザルコのペナルティーにより繰り上がり）からスタートしたミルは、マーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）のブレーキトラブルによるクラッシュで赤旗中断になるまで、２位の中上貴晶（LCRホンダ・出光）に2.5秒の差を付け、トップを独走していた。しかし、振り出しに戻った再開後のレースを中古のフロントタイヤで走らざるを得ず、新品タイヤに履き替えたライバルたちの先行を許し、４位。惜しくも２戦連続での表彰台を逃していた。
  　９月１日に23歳の誕生日を迎えたミルは、2015年にMoto3のレオパード・レーシングからMotoGPデビュー。2017年には同チームで年間18戦中10勝を挙げてチャンピオンを獲得し、2018年のエストレージャ・ガルシア・マーク・VDSでのMoto2クラスの１年を経て、2019年よりスズキ・ファクトリーに加わった。なお、今年の５月にはスズキとの契約を2022年まで更新している。

　MotoGPクラス初年度となった昨年は、テスト走行中の高速クラッシュで負った肺挫傷の影響で欠場を強いられる等、必ずしも期待通りの活躍という訳にはいかなかったが、今年はプレシーズンテストからスズキ勢が好調で、先輩のアレックス・リンスと共に優勝候補に挙げる関係者も少なくなかった。

　また、以前からコーナリング性能に定評のあったGSX-RRと新しいミシュラン・タイヤとの相性も良く、スティリアGP後にヴァレンティーノ・ロッシ（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）が「スズキの進化には感銘を受けた」とコメントしていた通り、競争力も高い。ミルが眺める水平線の先には、表彰台の頂点へと続く道が、きっと見えているに違いない。 

文●甘利隆
著者プロフィール／東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter：ama_super