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ゴルフ

不振だった渋野日向子は、なぜ「今年一番のゴルフ」をできたのか。素人目にも分かる3週間前との明らかな変化

山西英希

2020.09.11

渋野は今大会に向け、ショット、パットともにスタイルを変えてきた。(C)Getty Images

渋野は今大会に向け、ショット、パットともにスタイルを変えてきた。(C)Getty Images

 今季海外メジャー第2戦となるLPGAツアー『ANAインスピレーション』がアメリカ、カリフォルニア州のミッションヒルズカントリークラブで開幕した。初日、日本選手でただ一人午前中のスタートとなった渋野日向子が、4バーディ、2ボギーの70をマーク。今季自身初の予選通過に向けて好スタートを切った。

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 明らかに3週前とは違う渋野がそこにいた。『AIG女子オープン(全英女子オープン)』を終えた後、米国で練習とトレーニングに明け暮れていたという渋野。青木翔コーチが帰国していたため、自分なりにどうやったらイメージどおりにスイングできるのかを追求しながらボールを打っていたという。しかし、素人目にも分かるほど変化していたところがいくつかあった。

 まず、全英女子オープンのときよりもスタンスが広くなったこと。さらに、極端なハンドダウンではなく、前傾した状態で肩からダラリと腕を垂らしたところでクラブを握っていたこと。そして、大きな体重移動は行わないため、体の軸を中心とした一軸のスイングになっていたことだ。
 
 どちらかといえば、昨年までのスイングに近いように見えた。ただ、スイングを調整したことで不安があったのか、スタートホールを緊張気味の表情で迎えていた。しかし、その不安はあっという間に消え去った。ティショットでフェアウェイのど真ん中をとらえると、第2打をピン左約2・5メートルにつける。あっさりとそれを沈めてこの日初バーディを奪ったのだ。

「最初(10番ホール)のティショットはどういう球が出るのか分からなかったので緊張しましたが、真っ直ぐ飛んでくれたのでホッとしました」と渋野。フェアウェイをとらえたのはパー3を除く14ホール中8ホールと少ないものの、「ドライバーの曲がり幅が小さくなったし、少しずつ前進していると思います」と手応えを感じていた。

 大会前は、ドライバーでもアイアンでもしっかりと振り切ることが目標だと語っていた。開催コースはフェアウェイが狭く、グリーンも硬い状況だっただけに、そう簡単に振り切れるものではない。しかし、この日の渋野は公約どおり、勇気を振り絞って最後まで振り切ることを続けていた。12番パー4でのボギーは、ラフに打ち込んだティショットが運悪く芝の中に埋まり、2打目が10ヤードぐらいしか飛ばなかった。それでも3打目でグリーンをとらえ、最悪のダブルボギーを避けたことは収穫だろう。
 

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