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ゴルフ

“黄金“でも“プラチナ“でもない25歳、永峰咲希が国内メジャーを制した意義

山西英希

2020.09.13

永峰は「私が優勝したことで同期が必ずエンジンをかけて頑張るはず。そうなったらまた私も刺激をもらって上にいきたい」と語った。(C)Getty Images

永峰は「私が優勝したことで同期が必ずエンジンをかけて頑張るはず。そうなったらまた私も刺激をもらって上にいきたい」と語った。(C)Getty Images

 今季国内女子ツアーメジャー第1戦『日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯』最終日、大混戦を制したのは、黄金世代でもプラチナ世代でも新世紀世代でもないプロ7年目の25歳、永峰咲希だった。

 最初に混戦を抜け出したペ・ヒギョンを8番パー3でつかまえると、10、11番で連続バーディを奪い、一気に突き放す。12番以降でスコアを2つ落としたが、最終的に12アンダーをキープし、1打差で逃げ切った。ツアー優勝は18年のフジサンケイレディスクラシック以来の2勝目で、公式戦は初優勝だった。

 つい最近まで25歳の選手は明らかに若手だった。しかし、今年22歳となる黄金世代が台頭どころか主流となり、その対抗馬として2学年下のプラチナ世代が話題となる。さらに笹生優花に代表される今年19歳を迎える新世紀世代が注目を集めるうちに、いつしか永峰の世代は若手とは呼ばれなくなった。「年下の選手と試合で回ることが増えたので、もう中堅かもしれませんね」と自分たちにもそういう意識はあったという。

 ただ、このまま若手世代に押し切られる気持ちは一切ない。同期の選手だけで食事をするときも、若手に押されて勝てない状況を打破するために、皆で頑張っていこうという雰囲気になるという。同じプロである以上、下の世代に負けたくないと思っており、それは永峰も例外ではない。
 
 最終日も前週に優勝して好調さを維持する小祝さくら、高橋彩華の黄金世代コンビとのペアリングとなったし、一つ後ろの最終組には年下の田辺ひかり、西村優菜がいたが、何としてでも彼女たちを抑えて公式戦のタイトルを手にしたかった。それを支えたのは、初優勝から2年間勝てなかった間に身につけた技術だと言う。

「パッティングではラインと距離感を合わせることができたし、ショットでも横風に対してスイングを変えずに、ボールの位置や体重配分を変えることで球筋をコントロールできました」

 スタートホールや勝負どころとなった11番で10メートル近いバーディパットを沈めたかと思えば、この日難易度が最も高かった8番パー3では、ティショットをピン左2メートルにつけるスーパーショットを見せた。「右からの強い風でしたが、5番ユーティリティで低くて強いボールをピンの右に向かって打つことができました」と永峰。同じホールで3打差の首位にいたぺ・ヒギョンがグリーンを外してダブルボギーを叩いただけに、価値のある1打となった。
 

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