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「デビュー戦としては満足」注目の村元&高橋組はアイスダンスで2位発進。女子は坂本花織、男子は鍵山優真がSP首位に【NHK杯】

辛仁夏

2020.11.28

アイスダンスデビュー戦を迎えた村元&高橋組。初の演技を64.15点で滑り終えた。(C)Getty Images

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦、NHK杯が27日、大阪の東和楽品RACTABドームで開幕。今大会で最も注目を集めたアイスダンスに、今年1月に男子シングルからカップル競技に転向して平昌五輪代表の村元哉中とパートナーを組んだ髙橋大輔が初登場した。デビュー戦となったリズムダンス(RD)では映画「マスク」の主人公だったジム・キャリーばりに鮮やかな黄色いズボンを着た髙橋が、わずか10か月で習得したアイスダンス特有のスケート靴でスケーティングやリフト、ターンなどを披露。シングル時代から培った抜群の表現力も見せてコミカルな動きを織り交ぜながら、「(アイスダンス経験豊富で)引っ張ってくれるライバル」という村元とアイコンタクトをしながら息の合ったダンスで観客を引き込んで見せた。初陣の結果は64.15点の2位発進だった。

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 まずまずの出来にほっとした表情を見せた髙橋は「本番は落ち着いて、少し取りこぼしはあったが大きなミスがなかったので上出来だった。演技後に、僕がリフトで脚を持ち損ねたことを哉中ちゃんに『ごめん』と言いました(笑)。とりあえず初戦のスタートを切れて一安心という気持ちもありますし、レベルの取りこぼしがあったのでアイスダンスの難しさを痛感した。一安心とこれからに向けたやる気を感じています」と演技を回顧。
 
 髙橋をリードする村元も「少しずつレベルの取りこぼしがあったので、それを改善すると結構いい得点につながると分かったので、デビュー戦としては満足で最初から最後まで楽しく滑れました。64点は自信につながるいい点数が出たと思います。フリーダンスは得点を気にせず自分たちが練習してきたことをお客さんの前で出して、RDとはがらっと違ったクラシックバレエの『ラ・バヤデール』を素敵に滑れたらいいなと思います」と意気込んでいた。

 アイスダンスのRDで首位に立ったのは、70.76点をマークした小松原美里、ティム・コレト組。夫婦カップルの二人は、躍動感のある息の合ったダンスで映画「ドリームガールズ」を表現して好得点を引き出した。大会前にコレトは日本国籍を取得し、「日本人」になって初めての大会となった。演技を終えて小松原は「今回は久しぶりに観客の皆様に包まれながら演技ができて安心しました。二人とも落ち着いて滑っていたと思います。これから点数をどんどん出していく余白はあるかな。フリーダンスは課題を修正してよりよい演技ができるようにしたい」と話していた。