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三強の戦いは、無敗の三冠デアリングタクトが優勢か?【ジャパンカップ】

三好達彦

2020.11.28

秋華賞で史上初無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト。写真:産経新聞社

秋華賞で史上初無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト。写真:産経新聞社

 29日の午後にいよいよ決戦の時を迎える第40回ジャパンカップ。今回が引退レースとなるアーモンドアイに加えて、コントレイル、デアリングタクトと、3頭の三冠馬が相見えるたった一度きりのビッグマッチにファンの関心はヒートアップする一方だが、単勝馬券の前売りオッズを見ても、やはりこの3頭が4番手以下を大きく引き離した分厚い支持を集めている。

 では、この”3強”の勝利の可能性について、順番に見ていくことにしよう。
 JRA史上初となる無敗の牝馬三冠を達成したデアリングタクト。秋シーズンにおいて古馬牡馬と対戦するには「3歳牝馬は不利」だという旧来のイメージはとっくに覆され、逆説が昨今の常識となりつつある。12年に三冠馬のジェンティルドンナが優勝を飾ると(翌年も連覇)、18年にはアーモンドアイが圧勝を飾っているほか、2着にも2頭が食い込んでいる(13年のデニムアンドルビー、19年のカレンブーケドール)。53㎏という軽い斤量で出走できることと、秋華賞から1カ月以上の比較的ゆとりのあるレース間隔がとれること好走の要因になっていると考えられるが、同時に、よほど自信がないと3歳牝馬にとってヘビーなレースとなるジャパンカップに使ってこないというのも事実。短絡は危険だとはいえ、過去に勝利した3歳牝馬2頭ともが三冠馬(しかも無敗!)だったことからも、デアリングタクトには勝ち馬となる可能性がある。
 
 父ディープインパクトと同様に、一度たりとも敗れることなく三冠制覇を達成したコントレイルはどうだろうか。過去を遡ると日本調教の3歳牡馬による優勝は、エルコンドルパサー(98年)、ジャングルポケット(01年)、ローズキングダム(10年、1位入線したブエナビスタの降着による繰り上がり優勝)の3頭がいる。過去10年に絞り込むと、15頭が出走して1、2、3着がそれぞれ一度ずつと、何とも微妙な実績になっている。これは3歳牝馬の場合とは逆に、3000㍍という過酷な戦いを強いられる菊花賞をステップとするがゆえ、レース間隔が短いことが調整を難しくしているのが原因だろう。また、ジャパンカップをパスして有馬記念へ向かうか、もしくは疲労を考慮してそのまま休養に入る馬も少なくない。

 コントレイルに関しては、同馬を管理する矢作芳人調教師が「思いのほか菊花賞からの疲労の回復が早く、馬の状態にまったく問題はない」と判断を下しての参戦だけに、その点に関しての心配はなかろう。またコントレイルが三冠のうち、2着に3馬身差(0秒5)差をつけるという最も強い勝ち方をしたのが、今回と同じ舞台で行われた日本ダービーだったというのも心強い点だ。

 父のディープインパクトは菊花賞のあとに出走した有馬記念で2着に敗れて、デビュー以来の無敗記録がストップした。コントレイルが今回のジャパンカップを制すれば父を超える名声を得ることになるが、その可能性は十分だと言える。
 

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