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マラソン・駅伝

<2020ベストヒット!>青山学院大が制した箱根駅伝は史上稀に見るスピードレース。区間新が7つも誕生、シード権争いにもドラマが

THE DIGEST編集部

2020.12.08

青山学院大が総合力の高さを見せつけて2年ぶり5度目の頂点に立った。写真:朝日新聞社

青山学院大が総合力の高さを見せつけて2年ぶり5度目の頂点に立った。写真:朝日新聞社

 2020年のスポーツ界における名場面を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今年の幕開けを飾る箱根駅伝は、青山学院大が2年ぶり5度目の総合優勝を収めた。気候も良く、稀に見るスピードレースとなり、区間新が7つ誕生。来年の箱根駅伝を前に今一度、昨年のレースと記録を振り返る。

記事初掲載:2020年1月4日

――◆――◆――

 往路を制した青山学院大が、復路もリードを守り切って2年ぶり5度目の総合優勝を飾った。10時間45分23秒は大会新記録。5度胴上げされた原晋監督は、「今年1年は苦労しました。4年生に対して厳しく指導しました。その厳しい指導にみんなが付いてきてくれました。本当に感謝します」と選手を称えた。

 今年の箱根駅伝は、史上稀に見るスピードレースだった。往路は、2区の相沢晃(東洋大)、3区のイエゴン・ヴィンセント(東京国際大)、4区の吉田祐也(青山学院大)、5区の宮下隼人(東洋大)。復路では、6区の館沢亨次(東海大)、7区の阿部弘輝(明治大)、10区の嶋津雄大(創価大)と、実に7人の選手が区間新を叩き出した。

 気候条件が整っていたという追い風もあったが、なにより大きな影響を及ぼしたのが、「厚底シューズ」の導入だろう。ランニング効率がおよそ5%も向上するというナイキ社製のシューズは、8割以上の選手が着用していたという。

 総合優勝の青山学院大もこのシューズの恩恵を受けており、10時間45分23秒という大会新記録につなげた。とはいえ、区間賞に輝いたのは4区の吉田祐也と9区の神林勇太の二人だけ。総合力の高さを見せつけての戴冠だった。

 指揮官が「厳しく指導した」という4年生たちは、「夢の舞台でした」(谷野航平)、「往路を走ったみんなのおかげで良い位置で(タスキを)もらえたので、先頭で気持ちよく走らせてもらった」(中村友哉)、「最後の箱根駅伝は、すべてぶつければ必ず良い結果が出ると思っていた」(鈴木塁人)、「往路優勝と総合優勝したいと考えていた中で全力を出した結果が、今回の優勝につながったので本当に嬉しい」(吉田祐也)などと、晴れやかな表情で最後の舞台を締めくくった。

 新勢力の台頭も目立った。5位の東京国際大と9位の創価大は初のシード権を獲得。とりわけ、東京国際大は、驚異的な区間新記録をマークした1年のイエゴン・ヴィンセントを筆頭に快走を見せ、来季への期待を抱かせた。

 総合順位と区間賞は以下のとおり。
 
【総合順位】
1 青山学院大 10時間45分23秒
2 東海大   10時間48分25秒
3 國學院大  10時間54分20秒
4 帝京大   10時間54分23秒
5 東京国際大 10時間54分27秒
6 明治大   10時間54分46秒
7 早稲田大  10時間57分43秒
8 駒澤大   10時間57分44秒
9 創価大   10時間58分17秒
10 東洋大   10時間59分11秒
ーーー▲シード権獲得圏内▲ーーー
11 中央学院大 11時間01分10秒
12 中央大   11時間03分39秒
13 拓殖大   11時間04分28秒
14 順天堂大  11時間06分45秒
15 法政大   11時間07分23秒
16 神奈川大  11時間07分26秒
17 日本体育大 11時間10分32秒
18 日本大   11時間10分37秒
19 国士舘大  11時間13分33秒
20 筑波大   11時間16分13秒
  学生連合  11時間12分34秒※参考記録

【区間賞】
1区 米満怜(創価大/4年)1時間1分13秒
2区 相沢晃(東洋大/4年)1時間5分57秒/区間新
3区 イエゴン・ヴィンセント(東京国際大/1年)59分25秒/区間新
4区 吉田祐也(青山学院大/4年)1時間0分30秒/区間新
5区 宮下隼人(東洋大/2年)1時間10分25秒/区間新
6区 館沢亨次(東海大/4年)57分17秒/区間新
7区 阿部弘輝(明治大/4年)1時間1分40秒/区間新
8区 小松陽平(東海大/4年)1時間4分24秒
9区 神林勇太(青山学院大/3年)1時間8分13秒
10区 嶋津雄大(創価大/2年)1時間8分40秒/区間新

構成●THE DIGEST編集部
 

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