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マラソン・駅伝

「17人抜き」「区間新」「不本意」服部勇馬、設楽悠太、井上大仁の“ビッグ3”は東京五輪に向けいかなる結果を残したのか?【ニューイヤー駅伝】

THE DIGEST編集部

2020.01.01

設楽(左)と井上(右)は服部(中央)に続いて、五輪への切符を掴めるか。(C) Getty Images

設楽(左)と井上(右)は服部(中央)に続いて、五輪への切符を掴めるか。(C) Getty Images

 元日の風物詩、ニューイヤー駅伝(第64回全日本実業団駅伝2020)が群馬県内で開催され、旭化成が4年連続25度目の優勝を飾った。

 4連覇を狙う旭化成は、6区で20歳の“新星”小野知大が、区間記録を大幅に更新する快走を披露。最大のライバルであるトヨタ自動車を逆転して一気に差を広げると、続くアンカーの鎧坂哲哉も区間賞の走りで突き放し、終わってみれば2位に2分29秒差をつける圧勝だった。

 王者が盤石の強さを見せたこのレースには、半年後に迫った東京五輪でのメダル獲得を目指すランナーも出走した。

 もっとも注目を集めたのが、トヨタ自動車の服部勇馬だ。昨年9月のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)で2位となり、五輪のマラソン代表が内定している。

 区間賞に輝いた昨年と同様に5区を走った服部は、1位で襷を受けると、13秒差で追ってくる旭化成・村山謙太との距離を保ったまま、安定した走りを見せていた。しかし、最後はラストスパートを仕掛けた村山の猛追を受け、何とかトップの座は守ったものの、5秒差まで詰められてしまう。

 ゴール後は左足を引きずる姿も見られた服部の区間順位は3位。区間賞の村山、MGCにも出場したコニカミノルタの山本浩之の後塵を拝した。チームも4年ぶりのタイトル奪還を逃し、五輪イヤー最初のレースは不本意な結果となった。

 MGCでは途中までトップを独走しながら、35キロ過ぎで失速して14位に終わったホンダの設楽悠太は、自身が区間記録を持つ4区に登場。9位でスタートすると、持ち味の序盤から突っ込むスタイルではなく、一人ひとり前の走者を捕まえていく落ち着いた走りを見せる。

 区間順位は3位だったものの、マツダの山本憲二など5人を抜いて4位まで順位を引き上げ、最終的に3位に入ったチームを勢いづかせる奮闘を見せた。「3枠目」での五輪出場を目指して参戦予定となっている3月1日の東京マラソンに向け、まずまずの結果を残した。
 
 同じく4区でその設楽の区間記録を破る爆走をしたのが、MHPSの井上大仁だ。まさかの25位でのリレーとなったが、力強い走りで前を走るランナーを次々に捉え、圧巻の17人抜きを達成。チームを一気に8位まで押し上げた(MHPSの最終順位は17位)。

「苦しい場面もあったが、少しでも前で(襷を)渡せて良かった」

 最長区間である22.4キロを走り終えた直後、そう語った井上にとって、雪辱を期して臨んだレースだった。MGCでは、服部、設楽、そして大迫傑(ナイキ)とともに「ビッグ4」と呼ばれながら、完走した選手の中で最下位となる27位と惨敗。意地の激走で、自らの価値を証明し、再び「最後のひとり」の有力な候補であることを印象づけた。この勢いで、設楽と同じく東京マラソンでの五輪行きを目指す。
 

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