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モータースポーツ

3度目の手術から退院したMotoGPマルケス。 来季序盤はバウティスタやドヴィツィオーゾが代役参戦か?

甘利隆

2020.12.16

復帰を急いだばかりに結局3度の手術を行なうことになったマルク・マルケス。(C)Getty Images

復帰を急いだばかりに結局3度の手術を行なうことになったマルク・マルケス。(C)Getty Images

 2020年シーズンのMotoGPクラス初戦、スペインGPで骨折したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、右上腕骨の3度目となる手術を終え、スペイン・マドリードのルーベル国際病院を無事に退院した。

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 ホンダのエースは当初、患部をチタン製のプレートと数本のボルトで固定した1回目の手術を行なった翌週、アンダルシアGPへの出場を目指し、フリー走行をおよそ30ラップ、予選を1ラップのみ走ったが、「自分の身体の声に耳を傾け……」タイムを計測せず決勝レースへの出場を断念。その後はウェイトトレーニングなどに励んでいた。しかし、復帰を急ぎ、手術後すぐMotoGPマシンを走らせたことやトレーニングでの負荷が仇となったらしく、自宅の大きな窓を開けた際にプレートを破損し、8月のはじめに2回目の手術を受けていた。

 シーズン中、何度か復帰のタイミングが噂され、本人も最終戦への出場を望んでいるとされていたが、ケガの回復状況は芳しくなく、11月末には骨折部の骨癒合プロセスが完全に停止する偽関節症の疑いが判明。12月1日の検査で最終的な判断を下し、12月3日に自身の骨盤横にある腸骨から骨を採取し、患部に移植して骨の再生を促す手術を行なった。
 
 退院後すぐカタルニア州セルベラの自宅に戻り、今後は抗生物質治療を受けながら復帰を目指すことになるが、偽関節症からの回復には通常6か月程度かかるとされ、3月28日に決勝レースが予定されている開幕戦カタールGPに間に合わない可能性は、決して低くはない。状況次第では、5月2日決勝の第4戦スペインGPや6月6日決勝の第7戦カタルニアGPあたりまで復帰時期が遅れることも十分に考えられる。

 すでにHRC(ホンダ・レーシング)からWSBK(スーパーバイク世界選手権)に参戦するアルバロ・バウティスタやドゥカティ陣営を離脱し、2021年は浪人となるアンドレア・ドヴィツィオーゾの代役参戦も噂されている。

 5年連続でのタイトル獲得とはならず、2021年に再スタートを切る絶対王者は「応援のメッセージありがとう! 少しずつ感覚は良くなっているけど、このレースで一番大事なことはフィニッシュラインに到達すること、それを達成していくよ!!」と世界中のファンに向けてメッセージを贈っている。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 
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