2020年のスポーツ界におけるトピックスを『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、先月のNHK杯で力強い滑りを見せた日本女子勢について。GPシリーズ初優勝を飾った坂本花織、2位に入った樋口新葉の演技に、フィギュア大国・ロシアのメディアが驚きの声を上げた。
記事初掲載:2020年11月29日
――◆――◆――
11月27日から28日にかけて、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦の日本大会、NHK杯が行なわれた。
女子シングルを制したのは、初優勝の坂本花織。ショートプログラム(SP)で75・60点で首位となった坂本は、翌日に行なわれたフリースケーティング(FS)でも首位をキープ。最終滑走で映画『マトリックス』の音楽にのせ、ダブルアクセルなどのジャンプ要素をミス無しで滑り切り、FS153・91点、総合229・51点で優勝を手にした。
2位には、SPを2位(69・71点)で終えた樋口新葉は、フリーではトリプルアクセルを組み込んだプログラムを演技。冒頭のトリプルアクセルは、回転不足がついたものの着氷し、131・27点、総合200・98点。銀メダルを手にしている。
3位にはジュニア選手権女王の松生理乃(総合198・97点)、4位は復活を果たした三原舞依(総合194・73点)、5位は山下真瑚(総合186・13点)という結果に終わっている。
このうち、上位ふたりのスコアに驚きの声を上げているのが、ロシア・メディア『Sportsmail』だ。「日本の女子が、トゥクタミシェワとコストルナヤを凌駕した」と驚きをもって報じている。
「日本のスケーターたちは、先日のGPシリーズ、ロシア大会(ロステレコム杯)のふたりを凌駕した。世界の舞台では真剣勝負の相手となるだろう。日本で行なわれたGPシリーズの大会は、フランスとカナダが中止になり、ファイナルの見通しは立っていない。だが、ロシアのスケーターたちがとても良い状況であったように、日本のスケーターたちもまったく悪くなく、とても良い出来であった」
事実、ロステレコム杯で優勝したエリザベータ・トゥクタミシェワとアリョーナ・コストルナヤは、前者が総合223・39点、後者が総合220・78点であり、確かに坂本はふたりを上回った。樋口に関しては、コストルナヤが同大会で行なわなかったトリプルアクセルを組み込んだことが評価されているようだ。
もちろん単純に数字や構成だけで実力の比較はできないが、ほぼ国内大会となったGPシリーズにおいて、坂本&樋口の日本女子勢が、ロシア大会の上位2位に迫ったことは、ロシアのメディアにとっても驚きだったようだ。
GPファイナルは延期され、国際大会が今後いつ開催されるのか見通しは立っていない。だが、いつかまた開催された際に、日本人スケーターの存在が、ロシア勢にとって油断のならない相手になる可能性は十分に秘めているといえそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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記事初掲載:2020年11月29日
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11月27日から28日にかけて、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦の日本大会、NHK杯が行なわれた。
女子シングルを制したのは、初優勝の坂本花織。ショートプログラム(SP)で75・60点で首位となった坂本は、翌日に行なわれたフリースケーティング(FS)でも首位をキープ。最終滑走で映画『マトリックス』の音楽にのせ、ダブルアクセルなどのジャンプ要素をミス無しで滑り切り、FS153・91点、総合229・51点で優勝を手にした。
2位には、SPを2位(69・71点)で終えた樋口新葉は、フリーではトリプルアクセルを組み込んだプログラムを演技。冒頭のトリプルアクセルは、回転不足がついたものの着氷し、131・27点、総合200・98点。銀メダルを手にしている。
3位にはジュニア選手権女王の松生理乃(総合198・97点)、4位は復活を果たした三原舞依(総合194・73点)、5位は山下真瑚(総合186・13点)という結果に終わっている。
このうち、上位ふたりのスコアに驚きの声を上げているのが、ロシア・メディア『Sportsmail』だ。「日本の女子が、トゥクタミシェワとコストルナヤを凌駕した」と驚きをもって報じている。
「日本のスケーターたちは、先日のGPシリーズ、ロシア大会(ロステレコム杯)のふたりを凌駕した。世界の舞台では真剣勝負の相手となるだろう。日本で行なわれたGPシリーズの大会は、フランスとカナダが中止になり、ファイナルの見通しは立っていない。だが、ロシアのスケーターたちがとても良い状況であったように、日本のスケーターたちもまったく悪くなく、とても良い出来であった」
事実、ロステレコム杯で優勝したエリザベータ・トゥクタミシェワとアリョーナ・コストルナヤは、前者が総合223・39点、後者が総合220・78点であり、確かに坂本はふたりを上回った。樋口に関しては、コストルナヤが同大会で行なわなかったトリプルアクセルを組み込んだことが評価されているようだ。
もちろん単純に数字や構成だけで実力の比較はできないが、ほぼ国内大会となったGPシリーズにおいて、坂本&樋口の日本女子勢が、ロシア大会の上位2位に迫ったことは、ロシアのメディアにとっても驚きだったようだ。
GPファイナルは延期され、国際大会が今後いつ開催されるのか見通しは立っていない。だが、いつかまた開催された際に、日本人スケーターの存在が、ロシア勢にとって油断のならない相手になる可能性は十分に秘めているといえそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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