モータースポーツ

「最も速く走れる」「ホンダのゴリ押しではない」英・専門メディアがF1ルーキー特集で角田裕毅に期待!

THE DIGEST編集部

2021.01.08

英国の専門メディアは、角田を「ルーキーの中では最も速い」と評した。(C)Getty Images

 今季、F1デビューする角田裕毅が、所属するアルファタウリのインタビューに応じ、イモラで行なわれたテスト走行の感想を語った。

 その中で角田は、「大変だったのは、F2までとは全く違うステアリング。今までは、こんなにボタンは多くなかった。最初にすべきは、全てのボタンを覚えて、ドライビング中に見なくてもいいようすること」という、新人らしい"初々しい"コメントを残した。

 また、このテストではスーパーライセンス取得のために300kmもの走行が必要だったが、20歳の早熟ドライバーは「長距離をカバーすることは、とても大事なことだった」とコメント。これは、今季からシーズン前のテスト時間が大幅に削減されるためでもあり、「長く走ることで車から多くを学び、より操縦しやすくなる」と手応えを口にした。

 オーストラリア・メルボルンでのデビューレースに向けて準備を進める角田。そんな彼に加え、今季はハースのミック・シューマッハー、ニキータ・パゼピンが、新たにF1の舞台に立つことになるが、英国の専門誌『Motor Sport Magazine』は「2021年のルーキーに何を期待するか」と題した記事で、この3人を詳しく取り上げている。
 
 昨季のF2王者シューマッハーが偉大な父の影響を受け、チームとうまく仕事をして結果を残すタイプのドライバーであること、一方、不適切動画を後悔して大きな非難を浴びたマゼピンが、しかし才能も"資金も"潤沢であることなどを紹介した同メディアは、同じマシンを駆る2人がF2時代に続いて熱いレースを展開すると予想する。

 そして角田について、現時点で世界的にはあまり露出の多くない日本人は、F2をわずか1年で卒業した「進歩が非常に速い」ドライバーであり、自分自身に厳しく、新人ゆえのミスはあるものの、それを繰り返すことがない点を評価。学習能力が高く、ルーキーの中では最も速いという。

 ただ、コンペティティブになると予想されるアルファタウリのマシンで印象的なドライビングを見せる可能性がある一方で、苦戦することも十分にあり得ると予想。他の2人のドライバーに比べ、F2で無得点に終わったレースが多かったことも指摘している(わずかな差だが……)。

 とはいえ、レッドブルの責任者ヘルムート・マルコから、全ての能力を兼ね備えているとのお墨付きを得た優秀なドライバーであると同メディアは綴り、決してエンジンサプライヤーとしての最終年を迎えるホンダの"ゴリ押し"によるF1昇格ではないということも強調している。

「3人ともに何かをもたらすだろう」と記事は締められているが、角田は持ち前の武器と全てのアドバンテージを活かして、ルーキーの中で最もチャンピオンに近い存在であることをアピールできるか。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】角田裕毅のテスト走行の模様とインタビュー
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【動画】角田裕毅のテスト走行の模様とインタビュー