モータースポーツ

長島哲太の鈴鹿8耐参戦を伊メディアが示唆「決勝レースのスターティンググリッドに着く可能性は十分」

甘利隆

2021.01.27

ホンダのテストライダーーとして活動することになった長島だが、鈴鹿8耐出走の可能性もあるとイタリアのメディアが報じている。(C)Getty Images

 2020年の開幕戦、カタールGP・Moto2クラスで初優勝を遂げた長島哲太が、格闘技イベント『RIZIN』で活躍する吉成名高と共に出身地である神奈川県横須賀市のスポーツ大賞を受賞し、1月21日に授賞式に出席した。

 長島は、昨シーズンは開幕戦で優勝し、次戦スペインGPでも2位表彰台を獲得。好調なスタートを切り、序盤はチャンピオンシップをリードした。しかし、第3戦アンダルシアGPのフリー走行で転倒し、脳しんとうを疑われるほど頭部を強打。その影響かどうかは定かではないが、このレースを境に生彩を欠き始め、その後も第6戦スティリアGPで4位、第11戦アラゴンGPで9位とシングルフィニッシュを果たしたが、最終的なランキングは8位。所属するレッドブル・KTM・アジョの弟分に当たるMoto3チームの若手、ラウール・フェルナンデスがシーズン終盤に2勝を挙げ、躍進したこともあり、KTMの意向でフェルナンデスにシートを譲る形となってしまった。

 契約は1年プラス1年のオプションで、チーム代表のアキ・アジョとはシーズン半ばの時点で2021年も継続参戦することで合意に至っていたようだが、離脱が決まった頃には有力チームのシートはすでに確定しており、2021年のMoto2参戦は断念せざるを得なくなった。
 
 昨年の大晦日に「2021年に関しては、レース参戦をしない事になりました。3歳からレースを始めて夢であった世界選手権に参戦する事ができ、優勝やポール、表彰台を経験する事が出来たのは本当に皆様の応援のおかげです」と綴り、去就が注目されていたが、どうやら今年はホンダと契約し、主にテストライダーとしてマシンを走らせるようだ。

 イタリアのモータースポーツ専門メディア『CORSE DI MOTO』は「ホンダのテストライダーを務めていた水野涼がBSB(英国スーパーバイク選手権)にフル参戦し、また、同じく昨年のテストライダー、ドミニク・エガーターと新型コロナウイルスの影響による渡航制限を理由にホンダが契約を延長しなかったため、日出ずる国の"テツ"がCBR1000RR-Rの開発、鈴鹿8耐プロジェクトのテスターを実行することになる」と予想。「2019年にも鈴鹿8耐に出走しており、決勝レースのスターティンググリッドに着く可能性は十分ある」と参戦の可能性にも言及している。

 横須賀市のスポーツ大賞授賞式ではスーツ姿で上地克明市長から表彰状を授与される様子を自身のSNSに投稿し、「この大変な時期の中、このような貴重な賞を頂けて嬉しい限りです!」と感慨もひとしおのようだ。
 
 2022年のMoto2復帰が本人にとっては最優先事項だろうが、横須賀、いや日本の星の今シーズンの活動から目が離せない。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super
 
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【画像】横須賀市のスポーツ大賞で表彰を受けた長島哲太