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【きさらぎ賞】優勝したラーゴムがクラシック戦線に名乗り!折り合いを改善できれば、ラストの脚力も増すはずだ

三好達彦

2021.02.09

北村友一騎手は「闘争心がこの馬の良いところ」とラーゴムの長所を挙げた。写真:産経新聞社

北村友一騎手は「闘争心がこの馬の良いところ」とラーゴムの長所を挙げた。写真:産経新聞社

 きさらぎ賞(GⅢ、芝2000m)が7日、良馬場の中京競馬場で行われ、単勝2番人気のラーゴム(牡3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)が優勝。クラシック戦線に名乗りを上げた。

 タガノガイ(牡3歳/栗東・宮徹厩舎)の逃げで始まったこのレース。ラーゴムは3番手の好位置を取り、2番人気のヨーホーレイク(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は後方の9番手。1番人気に推されたランドオブリバティ(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)はさらにその後ろの10番手に控えた。1000mの通過ラップは1分01秒2という遅めの平均ペースで進むなか、各馬が仕掛けながら迎えた直線。早めに仕掛けたラーゴムが力強いフットワークで前の2頭を交わして先頭に躍り出ると、外へ進路をとって猛追したヨーホーレイクをクビ差抑えて重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。ランドオブリバティも後方からよく差を詰めたが、ヨーホーレイクから3馬身半差の3着に終わった。

 ラーゴムの北村友一騎手は、「よく凌いでくれたし、強かったと思います。負けない気持ち、闘争心がこの馬の良いところ。ただ、レースでは今日も力んでいたので、そこを修正していけるといいと思います」と、この先への期待と課題を語った。

 ラーゴムの走破タイム、2分01秒1はこの時期の3歳の中距離重賞としては、開催最終日の荒れた馬場状態も考え合わせると及第点と言えるもの。オルフェーヴル産駒ゆえだろうか、前進気勢が強すぎるきらいはあるが、それでも難なく3番手につけてレースを進められた点は、これから迎えるクラシック戦線を戦ううえで強みとなる。折り合いの面を改善してスタミナを温存できれば、ラストスパートに入っての脚力も増すはずで、気性面での成長が待たれるところだ。
 
 ヨーホーレイクは、3着とした昨年末のホープフルステークス(GⅠ)と同じく、後方待機からの終い勝負に徹し、わずかに届かずの2着。末脚の切れ味は一級品だが、後方一気の極端な競馬だけでは、どうしても取りこぼしのケースが増えるのは止むを得ない。きさらぎ賞は11頭立てだったが、これからは多頭数のレースが増えるだけに、そこが気がかりな点となる。

 ランドオブリバティがほぼ最後方に控えたのは、やはり前走のホープフルステークスにおいて4コーナーで逸走(競走中止)したことから、陣営が慎重になったことが影響したようだ。三浦皇成騎手が「今日は無事にゴールできて良かった」とコメントしたことが、その意識を表しており、まだ不安が解消されたとは言い難い。3着に追い込んだとはいえ、勝負がついてから差を詰めたもので、クラシック戦線では大きく後退したと言わざるを得ない。

 その他、4番人気のダノンジェネラル(牡3歳/栗東・中内田充正厩舎)は7着、5番人気のドゥラモンド(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)は10着に大敗。前者は一気に速くなった時計への対応力、後者は距離適性の壁に跳ね返されたという印象を受けた。

文●三好達彦

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