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ラグビー

アジア初の8強進出は必然だった⁉「相手に混乱を起こさせるチーム」と敵将も讃えたジェイミージャパンの底力

多羅正崇

2019.10.14

終盤の押し込まれた時間帯は身体を張って対応。姫野(中央)のジャッカルでピンチをしのぐ場面も。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

終盤の押し込まれた時間帯は身体を張って対応。姫野(中央)のジャッカルでピンチをしのぐ場面も。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 新時代の幕が開けた。9月20日(金)に開幕したラグビー・ワールドカップで、開幕3連勝の日本が、プールA最終戦で2勝1敗のスコットランドを28-21で破り、文句なしで日本初、アジア初の決勝トーナメント進出を果たした。

 試合前夜、台風19号が首都圏を直撃。会場は神奈川・横浜市の横浜国際総合競技場であり影響が懸念されたが、試合当日に開催が決定した。

 中止の場合でも引き分けでプール戦突破が決定していたが、選手やスタッフにとってスコットランド戦は集大成。前回の15年W杯で大会3勝の日本が唯一負けた相手であり、4年越しの雪辱を果たす機会を逃したくはなかった。

 試合前、日本代表のジェイミー・ジョセフHCは選手の前で台風について言及したという。選手たちも台風被害の翌日に試合をすることについて話し合い、FLリーチ・マイケル主将を中心として「この試合は私たちのためだけの試合ではない」と意志統一。試合ができることへの感謝、全国へ勝利を届ける決意を胸に午後8時前、キックオフの笛を聞いた。
 
 序盤の日本は順風満帆ではなかった。

 ブレイクダウンで圧力をかけるスコットランドは、この日3度のジャッカルを成功させたFLジェイミー・リッチーらの抵抗に遭い、敵陣でのアタックを寸断される。

 6分には多才な司令塔、SOフィン・ラッセルの防御突破を許して失トライ。SHグレイグ・レイドローのコンバージョン成功で7点を先制された。

 しかしボール保持率を高めて攻める日本は17分、左サイドで飛ばしパスを受けたWTB福岡堅樹が突破。倒れながらもフォローしていたWTB松島幸太朗にオフロードパスをつなげ、WTB松島が今大会5トライ目。

 さらに25分には3本のオフロードパスを繋げて、最後はPR稲垣啓太が日本代表7年間で代表初トライを決める。39分にはCTBラファエレ・ティモシーの右足のグラバーキックから、WTB福岡が独走トライし、21-7とリードして後半へ向かった。

 日本の前半のテリトリーは75%(スコットランドは25%)。ボールを持って走った距離は日本の339メートルに対して、スコットランドは59メートル。日本が圧倒的にボールを保持して攻め続けていた。

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