３月12日から３日間にわたり、バーレーン・インターナショナル・サーキットで実施されたプレシーズンテストで、アルファタウリの角田裕毅は最終日に全体で２位となる好タイムを記録して世界を驚かせた。

　ルーキーのスーパーラップは、後にDRSを使用して“幾らか”タイムを稼いだものだったことが明らかになるも、そのドライビングは、新型マシン「AT02」とともに高いポテンシャルを秘めているとして、各国メディアからも称賛された。

　オランダの専門メディア『RN365』は、この合同テストの結果を踏まえて、チーム単位で「勝者」と「敗者」を選定。前者には、マックス・フェルスタッペンがトップタイムを出したレッドブル、ホンダのパワーユニットの進化を感じさせたアルファタウリ、マクラーレンが入り、後者はトラブルが続いたメルセデス、アストンマーティンの名前が挙がった。
  　同メディアは、アルファタウリについて「（アルファロメオと並んで）最多の422周を走行したAT02は、非常に操作が快適そうであり、バランスに優れている。かつて『トロロッソ』と呼ばれたチームは、これまでコンストラクターズランキングで５位以内に入ったことはないが、今年は大きなチャンスが到来したと言えよう」と綴っている。

　また、角田にも言及。「最終日の見事なセッションで、その才能を披露した。複雑なミドルセクターでもタイムをまとめ、全体で２番目となる速さを発揮した」と高く評価した。

　下部カテゴリーでも能力の高さは認められていたが、このプレシーズンテストによって、最も注目されるドライバーのひとりとなった感のある20歳の日本人ルーキーは、３月28日に開幕するデビューシーズンに向けても自信を抱いているようだが、それはF３での経験によるところが大きいという。

「F３では１つのレースでフリープラクティスが一度しかなく、ここで予選の準備をしなければいけません。シーズンの初めは、これに適応するのに少し苦労しました。マシンのセットアップとドライビングの両方に集中するのは難しかったですが、この厳しい状況が良い経験になり、自身のキャリアに大いに役立ちました」（『RN365』より）