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角田裕毅は「センセーショナルだった」。F1直前テストの内容にレッドブル総帥が驚嘆!各国メディアからも賛辞続々

THE DIGEST編集部

2021.03.19

角田のテスト走行の内容に、ヘルムート・マルコも衝撃を受けたようだ。(C)Getty Images

 プレシーズンテストで全体の2位となるラップタイムを叩き出して、世界を驚かせた角田裕毅。新シーズンの開幕を目前に控え、アルファタウリからF1デビューするこの20歳のドライバーに対する注目と期待は大きくなる一方である。

 イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、この驚異のルーキーを「小さな巨人」として改めて紹介。「彼の身長は1m59cmしかないが、見た目に騙されてはいけない。20歳の日本人は、他のドライバー同様にアクセルを踏めることを証明した」と"身長いじり"をした後、「彼はファンを楽しませることを約束している」と綴っている。

 また、強烈なGフォースに耐えうるフィジカルの強化という重要な「問題」を克服したと伝えるとともに、角田の「(バーレーンで123周を走行しても)特に疲れなかった。F1に順応するプロセスの素晴らしい一歩だ」というコメントを引用し、彼のシーズン前のトレーニングが奏功していることを強調した。

 直前テストでの角田のパフォーマンスに度肝を抜かれたのは、ファンや各国メディアだけではない。彼をF4時代に見初め、育成に力を注ぎ続けたレッドブルの責任者、ヘルムート・マルコも、バーレーンでの日本人ドライバーに強い感銘を受けたひとりだ。

「彼はセンセーショナルなパフォーマンスを披露した。本当にセンセーショナルだった」
 
 ドイツのテレビ局『RTL』にこう語った彼は、続けて「もちろん、これは良いマシンなしには成し遂げられなかったことだ。アルファタウリは今季、中段よりも前で競争できると思う。ここでの争いは非常にエキサイティングであり、我々には競争力が求められる。アルピーヌ、フェラーリ、アストンマーティン……。マクラーレンはまだ先を行っていると思うが、その後方は力が拮抗している」と、姉妹チームの新シーズンを展望した。

 アルファタウリがコンストラクターズランキング4位という目標の達成に邁進し、シニアチームのレッドブルは最大のライバルであるメルセデスと世界タイトルを懸けて争うという理想的な戦いの構図を描きながらも、「サーキットごとに勝者が異なるシーズンになるかもしれない」と混戦を予測するチーム責任者は、インタビューの中で「もう一度言いたい。先週末、角田は本当にセンセーショナルだった」と語っている。

 オランダの専門メディア『GP FANS』も、このマルコのコメントを紹介しているが、その記事の中で、「レッドブルとアルファタウリは、彼らが20歳の日本人のファンであることを秘密にしていない」と綴り、チームが角田の能力に惚れ込んでいることを示した。

 そして、「DRSを巧みに利用しながら、F1のスピードとGフォースにうまく対処した」ルーキードライバーを、「『才能』と『角田』という単語は、同じ文章の中で一緒に登場する」と表現して称賛している。

構成●THE DIGEST編集部

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