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【スプリングステークス】ヴィクティファルスが重賞初制覇した“二つの勝因”。タフな馬場状態で明暗を分けたのは

三好達彦

2021.03.22

ゴール寸前、アサマノイタズラをアタマ差かわして勝利を収めたヴィクティファルス(手前)。写真:産経新聞社

ゴール寸前、アサマノイタズラをアタマ差かわして勝利を収めたヴィクティファルス(手前)。写真:産経新聞社

 1~3着に優先出走権が与えられる皐月賞トライアルのスプリングステークス(GⅡ、中山・芝1800m)が3月21日に行なわれ、単勝3番人気のヴィクティファルス(牡3歳/栗東・池添学厩舎)が優勝を飾った。

 2着には7番人気のアサマノイタズラ(牡3歳/美浦・手塚貴久厩舎)が入り、1番人気のボーデン(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)は3着。2番人気のランドオブリバティ(牡3歳/美浦・鹿戸雄一厩舎)と4番人気のロードトゥフェイム(牡3歳/美浦・尾形和幸厩舎)はそれぞれ7着、8着に敗れた。

 早朝からの雨で馬場状態は悪化して、「重」で迎えた日曜日の中山。前日、同距離の「良」馬場で行なわれたフラワーカップ(GⅢ)は1分49秒2で決着したが、スプリングステークスはそれよりも2秒8も遅い1分52秒0だったことからも、そのタフさが分かる。

 また同時に、直線では内ラチから3~4頭分ぐらいの馬場状態がかなり悪化していたようで、ラストスパートに入ってのコース取りが明暗を分けることにもなった。
 
 馬群がぐっとその長さを縮めて迎えた直線。最内でワールドリバイバル(牡3歳/栗東・牧田和弥厩舎)が逃げ粘るところへ、アサマノイタズラとボーデンが脚を伸ばすが、その2頭の外から猛追したのがヴィクティファルス。しぶとく抵抗するアサマノイタズラをゴール寸前、アタマ差かわして勝利を収めた。ボーデンは2頭とはやや離された3着に終わっている。

 能力の高さはもちろんとして、ヴィクティファルスの勝因は大きく分けて二つ考えられる。

 一つめには、まずコンディションの良さを挙げるべきだろう。

 前走の共同通信杯(GⅢ、東京・芝1800m)で2着としたあとは、短い放牧休養を挟んで帰厩。トレセンに戻ってしっかりと調教を積まれながら、馬体重は前走比で+2kgという理想的な数字を示していた。晩成型が多いハーツクライ産駒であり、かつ5月1日生まれという遅生まれの本馬にとっては、成長を促すという意味でこの短期放牧が功を奏したことは明らかだ。
 
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