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フィギュア

「一生忘れられない」ネイサン・チェンが4回転5本のノーミス演技で3連覇!会見では羽生の4A挑戦にも言及【フィギュア世界選手権】

THE DIGEST編集部

2021.03.28

表彰式のチェン。新型コロナウイルス対策のため、メダルも自ら首に駆ける形式で行なわれた。(C)Getty Images

表彰式のチェン。新型コロナウイルス対策のため、メダルも自ら首に駆ける形式で行なわれた。(C)Getty Images

 現地時間3月27日、スウェーデンのストックホルムで、フィギュアスケート世界選手権の男子フリースケーティング(FS)が行なわれた。

 大会連覇中のネイサン・チェンは、25日のSPの冒頭で4回転ルッツを転倒。らしくないミスを連発し、98・85点で3位スタートとなった。

 だが、この日、現王者はひるまなかった。失敗した4回転ルッツを含む、4種類の4回転ジャンプを5本組み込んだプログラムをノーミスで滑り切り、圧巻の演技を見せた。スコアは223・03点、総合320・88点で、見事に逆転優勝。大会3連覇という快挙を達成した。

 試合後のプレスカンファレンスに2位の鍵山優真、3位の羽生結弦と参加したチェンは、「今回のフリーは、必ずしも僕にとって最高のものとは言えないけれど、間違いなく一生忘れられないものになった」とその喜びを語った。

「この場所に再び立つということは、理論的には可能かもしれない。けれど、現実的にはそんなに簡単なことじゃない。ライバルたちがより強力なプログラムを準備してくることは分かっているからだ」

 そして、意外にも「精神的な準備の仕方を忘れていた」と明かしている。
 
「国際大会で滑るのが久しぶりだったので、試合前にどう気持ちをつくるべきかを忘れていた。でも、『今の楽しむこと』『ここにいられることがどれだけ幸福か』と考えることを思い出した。そう考えることで、リラックスできたと思う。最後のトリプルアクセルを飛んだ瞬間は、あとはステップシークエンスに全てをぶつけられるという安堵感があった」

 また、「2022年開催予定の北京冬季オリンピックで勝利するためには、4回転ジャンプは何本飛ぶべきか?」という記者の質問には、このように回答した。

「これから先、未来はいろいろなことが変わる。クワドを何本飛べばいいのかなんて難しすぎて予測できない。過去に僕は(平昌五輪で)8回に挑戦して5位だった。リスクを冒す必要があるのかというと、必ずしもそうではないし、大切なのは4回転の本数や順位にフォーカスするよりも、自分自身で何をどれだけ飛べるのか、追及していくことだと思う。

 選手たちの進化は日々続いているんだ。クワドアクセルはユヅ(羽生)が跳ぶっていうから、僕もそれを考えなきゃならないし(笑)」

 このジョークを隣で聞いていた羽生は思わず声を出して笑い、ふたりが顔を見合わせ、和やかな空気が流れる場面も見られた。

 2018年の平昌五輪で5位に終わって以来無敗のチェンは、その勝利記録をさらに伸ばした。“最強”の21歳は、万全の状態でオリンピックシーズンを迎えることになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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