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「耐えられなくなった時に…」池江璃花子が壮絶な闘病生活を告白!4冠&リレー2種目五輪代表獲得は「偶然ではなく必然」

THE DIGEST編集部

2021.04.15

3年ぶりの『日本選手権』では4冠を達成した池江。写真:日本水泳連盟提供

 4月3日~10日の8日間に渡り開催された競泳の日本選手権で奇跡が起きた。白血病からの完全復帰を目指していた池江璃花子(ルネサンス)が4冠を達成。さらにリレー2種目(400メートルリレー、400メートルメドレーリレー)で東京五輪の代表に内定したのだ。

 1冠目とした100メートルバタフライで優勝を決めた直後のインタビューで「自分がどれだけ辛くても、"努力"は必ず報われるんだなというふうに思いました」と涙した池江は、14日に開かれたオンライン会見で復帰に至るまでの壮絶な戦いを語った。

 2016年リオ五輪(当時16歳)では7種目で出場し、このうち100メートルバタフライでは5位入賞。その後も力をつけると2018年のアジア大会で6冠を達成する凄まじい活躍をみせ、東京五輪でのメダルが嘱望されていた。

 しかし、当初予定されていた東京五輪を1年半に控えた2019年2月、急性リンパ性白血病の診断をうけたのだ。そこからの闘病生活は、家族の前で弱音を吐いたほど過酷だった。

 とくに1回目の抗がん剤治療が最も辛かったという池江は、「2週間半とか2週間ちょいは、ベッドから動けず、ご飯も食べれず、ずっと点滴で栄養をもらっていた」と振り返る。嘔吐を繰り返すなど想像を遥かに上回り「耐えられなくなった時に、母にそういう言葉(死にたい)を言ってしまった」と明かした。

 治療は順当に進み、10か月後の同年12月に退院。2020年3月には406日ぶりにプールに入ると、徐々に練習を再開させた。当初はチームメイトとは別メニューでの練習だったが、現状をなかなか受け入れられず、「練習終わりに一人で泣いて自分を責めて、このままじゃ駄目だと自分を責めてだけど、まだ大丈夫まだ泳ぎ始めたばっかだと捉えるようにしてました」という池江はとにかくひたむきに練習に打ち込んだ。
 
 積み重ねた努力の甲斐もあって、今大会直前の合宿で泳ぎの感覚が良くなっているのを実感した池江は、コーチと「もしかしたら(五輪に)いけるかも」とリレー代表の4位に入れる可能性も考えていたそうだ。予定より遥かにいい順位とタイムで4冠を達成し、五輪内定も得た今、嬉しさをこうも語る。

「ただ、あの結果が出たのは偶然ではなく必然だと思っていて、ああいうタイムが出るような練習をやってきた自信があったなと振り返って思うので、本当に頑張ってきて良かった、内定してこういう場に来れて思うようになりました」

 早期復帰に自身でも驚きを隠せず「意外と早く戻って来れたなという泳ぎ、タイム全部そうですけど、っていうのがあるので、あとは伸びていく自信しかない。自分自身にも期待しちゃうような伸び方をしているので、それに関しては近い将来的にも、オリンピック本番に対しても楽しみな部分ではある」と期待を膨らませた。彼女のシンデレラストーリーはまだまだここからだ。

構成●THE DIGEST編集部

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