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「最高のルーキー」角田裕毅がF1に持ち込んだ「新鮮さ」に専門メディアが注目!老練な操縦、無線での悪態、オープンさ…

THE DIGEST編集部

2021.04.16

開幕戦のバーレーンGPで9位入賞した角田。第2戦のイモラGPでは上位進出なるか。(C)Getty Images

 F1第2戦のエミリア・ロマーニャ・グランプリは16日のフリー走行で幕を開けるが、開幕戦のバーレーンGPで日本人ドライバー初となるデビュー戦ポイント獲得を成し遂げたアルファタウリの角田裕毅は、次なる戦いを目前に控えて多くの注目を集めている。

 アルファタウリにとっては本拠地イタリア・ファエンツァから近いイモラでの「ホームGP」であり、角田にとっても今冬のプライベートテストなどで多く走り込んだ馴染みあるコースだけに、カーナンバー22への期待は非常に高い。

 各国メディアも、日本から誕生したF1の新星に対してますます関心を高めており、英国メディアの『THE RACE』はバーレーンGPを振り返り、このルーキーがデビュー戦で「F1に何をもたらしたか」を特集している。
 
 20歳の日本人が見せた開幕戦での力強いパフォーマンスは大きな驚きを人々に与えたが、見事な車のコントロールを見せただけでなく、フリー走行でトラフィックに引っ掛かった際に無線で"悪態"をつくなど、ルーキーらしからぬ強心臓ぶりも、見る者に強い印象を与えたようだ。

 同メディアは角田について、レッドブルグループの首脳陣やF1チーフのロス・ブラウンが語った「ここ数年で最高のルーキー」という評価については、「そこまで言い切るのは時期尚早。彼を最もエキサイティングなルーキーと判断できるのは、シーズンを終えてからだろう」と主張するものの、「最高のルーキー」となる可能性は十分に秘めており、その片鱗がデビュー戦でも垣間見えたという。

 角田が「ホンダの後押しでF1に昇格できた」という偏見に満ちた噂を「彼はレッドブルのアカデミーの一員である」と否定した同メディアは、今オフシーズン、コロナ禍で移動が制限され、本来はレッドブルのファクトリーがある英国ミルトンキーンズでシミュレーターを使ってのトレーニングに励むはずが、ファエンツァに滞在してチームと濃厚な時間を過ごしたことが、彼に良い結果をもたらしたと見ている。

 経験の乏しい状況で大きなプレッシャーを常に受けながら、ヘルムート・マルコ(レッドブル顧問)の期待に応えようという強い意志によって成長を遂げているが、それが時に無線での悪態や叫喚となって表われるのだろうと同メディアは分析する。
 
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何も包み隠さない姿勢が「角田を見る楽しみのひとつ」