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フィギュア

「連勝はいつか止まる」ネイサン・チェン、北京冬季五輪へ冷静さ失わず。2日間の“コーチ”には感謝のメッセージ【フィギュア国別対抗戦】

THE DIGEST編集部

2021.04.17

世界選手権の3連覇に続いて、SP、FSで勝利を収めたチェン。21歳のスケーターはあくまで冷静だ。 (C)Getty Images

世界選手権の3連覇に続いて、SP、FSで勝利を収めたチェン。21歳のスケーターはあくまで冷静だ。 (C)Getty Images

 4月16日、「世界フィギュアスケート国別対抗戦2021」の2日目が大阪府の丸善インテックスアリーナ大阪で開催された。

 男子シングルのフリースケーティング、最終滑走で登場したアメリカ代表のネイサン・チェンはフィリップ・グラス氏のピアノ曲にのせ、今季公式戦ラストとなる演技を披露した。

 前半で4回転フリップ、トリプルアクセル+2回転トゥループ、3回転ルッツ、4回転サルコーを着氷し、後半は4回転トゥループ+オイラー+シングルフリップ、4回転+3回転トゥループ、トリプルアクセルを飛んだ。予定していた3回転フリップが1回転に、4回転トゥループには1/4回転不足がつくミスもあったが、今季初の有観客試合でフリー203・24点を獲得し、トップで終えた。

 初日に行なわれたショートプログラムに続いて大きなミスなく終えた世界選手権3連覇の王者は、チームに12ポイントをもたらした。試合後には「連勝できてうれしい」と語ったが、「連勝は続かない。いつか止まる。優秀なスケーターはたくさんいるし、(北京冬季)五輪を控えて皆がさらに強くなってくる」と冷静なコメントを残したと米放送局『ESPN』が伝えている。

「(五輪についてコメントするのは)時期尚早だと思う。これからどんなシーズンになって、どれくらい大会があるかも分からない。帰ってから、ゆっくり休んで、次のシーズンに備えたい」

【動画】圧巻の4回転フリップ! チェンがSPで披露した豪快なクワドジャンプはこちら
 

 ちなみに、21歳のスケーターを2日間にわたって支え続けていた人物が注目を集めている。SP、FSともにチェンが滑り終えた後、リンクサイドで出迎えてハイタッチをし、滑走前後にはエッジカバーや水のペットボトルを渡し、キス&クライで採点結果を待つ間も距離をおきつつも隣に座り、付き添っていた人物だ。

 しかし今回、アメリカから訪日した選手にコーチは帯同していない。何を隠そう、彼は選手のひとりだ。

 正体は、アイスダンスのジャン=リュック・ベイカー。ケイトリン・ホワイエクとコンビを組む27歳のベテランスケーターで、この日はフリーダンスをこなし、3位という成績を残した。そんななかでもチェンに付き添い、甲斐甲斐しく世話をやいていた。

 その後、チェンは珍しく大会期間中に自身のインスタグラムを更新。ストーリー(24時間で消えてしまう記事)でベイカーの「今日も見捨てずにネイサンと一緒にいた」というコメントを引用し、「2日間かなりしっかり傍にいてもらった。サンキュー、コーチ」と泣き笑いの絵文字を添えたコメントで感謝を伝えている。

 団体戦の醍醐味と言えるだろう。アメリカはジェイソン・ブラウンの5ポイントも加え、計83ポイントで総合トップのロシア(91ポイント)を8ポイント差で追っている。3日目に行なわれるペア、女子シングルの戦いからも目が離せない。

構成●The DIGEST編集部

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