ゴルフ

8戦4勝の稲見萌寧、好調の要因はパットにあり!キャディを務めた奥嶋コーチからのアドバイスとは?

山西英希

2021.04.26

今年に入ってから絶好調の稲見。3日間をすべて「67」で回り、大会レコードの通算12アンダーをマークした。(C)Getty Images

 今年の国内ツアー第8戦『フジサンケイレディスクラシック』最終日、首位と1打差の2位からスタートした稲見萌寧が5バーディ、1ボギーの「67」で回り、通算12アンダーでフィニッシュ。2位に3打差をつけて、今季5勝目、ツアー通算6勝目を飾った。今季のツアー獲得賞金額は1億188万8216円となり、小祝さくら、古江彩香に続いて3人目の1億円越えとなった。

【動画】「最後の一押しになりました!」今年8戦4勝の稲見がファンへ感謝のメッセージ

 前週優勝した山下美夢有、前回大会優勝者の申ジエとの最終組でスタートした稲見。例によって、今週も疲労困ぱいの状態でコース入りしたにもかかわらず、気がつけば優勝争いに絡む好位置をキープする。

「今週は温泉付きのホテルに宿泊し、朝と晩に体のケアを受けていました」と、疲労回復に努めたが、開催コースの川奈ホテルゴルフコース富士コースはツアーでも1、2を争うほどアップダウンがきつい。日を重ねるごとに疲労度は増していった。
 
 それでも稲見のショット力は落ちない。最終日のフェアウェイキープ率は78.6%であり、パーオン率は72.2%だった。海からの風が強く、フェアウェイが傾斜しているうえにグリーンが小さいことを考えれば、どちらも高い数字だといえる。

 しかし、技術以上に目を見張るのは、優勝を重ねるごとに試合運びの妙が際立っていることだ。今回も1番パー4で8メートルのスライスラインを読み切ってバーディを奪い、首位の山下をとらえると、続く2番パー4では2メートルのバーディパットを沈めて逆転。4番パー5では3打目を10センチに寄せて3つめのバーディを奪ってさらに差を広げた。

 序盤で畳みかけるような攻め方をした後は、2位以下の様子を見るかのようにパーセーブを重ねていく。途中ジエに1打差に迫られても焦ることなく自分のペースで淡々とプレーを続けていった。

 唯一のピンチは15番パー4の2打目をグリーン奥のガケ下にまで落としたときだが、2位以下に3打差つけていることを考え、無理にパーセーブしようとはしなかった。「とにかくボギーで上がることだけに集中しました」と、予定どおりのボギーでピンチを乗り切った。
 
NEXT
PAGE
パット好調の要因と、奥嶋コーチからのアドバイス