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ラグビー

「呼吸さえできないほどに…」異次元の強さを見せたオールブラックスにアイルランドHCも脱帽!【ラグビーW杯】

川原崇(THE DIGEST編集部)

2019.10.20

プール戦よりギアを一段も二段も上げてきたオールブラックス。W杯3連覇へ視界は良好だ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

プール戦よりギアを一段も二段も上げてきたオールブラックス。W杯3連覇へ視界は良好だ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 強い。強すぎる。東京スタジアムの観衆の誰もがそう唸るしかなかった。

 土曜日に行なわれたラグビーワールドカップ準々決勝、ニュージーランドvsアイルランドの一戦は、攻守両面で難敵を圧倒したオールブラックスが46対14の快勝を収めた。開始6分のPGで先手を取ると、同14分、20分にアーロン・スミスが連続トライを挙げて、あっという間にリードを広げる。攻撃的なディフェンスでアイルランドを追い詰め、ミスを誘発しては得点を重ねていった。終わってみれば圧巻の7トライゲットだ。

 一方で、アイルランドは悲願のベスト4進出をまたしても逃した。敵将のジョー・シュミットHCは「胸が張り裂けそうだ」と苦しい思いを吐露しつつも、素直に完敗を認めざるを得なかった。

「結果について言い訳などしないし、明確な理由も思い浮かばない。オールブラックスのようなチームを相手にしたなら、スタートから勢いを持って臨まなければいけないが、我々はスペースを与えては何度もミスを繰り返し、前半を0対22で終えてしまった。我々がすこぶるベストなプレーをしたとしても、手強い相手だ。選手たちはずっと息が詰まるような、呼吸さえさせてもらえないほどの圧力を受けていた。ようやくチャンスを掴んでひと息ついても、オールブラックスはすぐさま取り返してしまう。今日の彼らは本当にスーパーだった。ボールを持っていようがいまいが、プレッシャーが尋常ではないんだ」

 この3年間で2度ニュージーランドに勝利し、アイルランド代表は苦手意識を払拭していたはずだが、やはりワールドカップの舞台は別物なのだろう。

 ニュージーランド出身のシュミットHCは「オールブラックスに早い時間帯であっさりと先制を許せば、得てしたこういう結果になる。どんどん積極的に仕掛けて点差を広げる、そうした試合運びが抜群に上手いんだ。僅差の展開に持ち込まなければ勝ち目はない」と言い切り、「我々が彼らを打ち負かすためには、明らかにプレーの精度が足りなかった」と結んだ。
 とはいえ、大会開幕時点で世界ランキング1位に立っていたように、ワールドカップに至るまでのチーム作りには胸を張った。

「残念だったのは、一度ピークを迎えた選手が何人かいたことで、我々も人間だから、そこからさらに高めていくのは難しい場合がある。トップ4に食い込めなくて悲しいし、深い傷を負ったのは確かだ。それでも、(シュミット政権下で)75試合を戦ってそのうち75%で勝利を飾った。今回のワールドカップの2度の負けによって、このチームが築き上げてきた成果が色褪せることはない」

取材・文●川原崇(THE DIGEST編集部)

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