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ラグビー

「日本での日々は最高の思い出」アイルランド主将、“涙の花道”を5万観衆が総立ちで称える【ラグビーW杯】

川原崇(THE DIGEST編集部)

2019.10.20

子どもたちとスタンドを一周したベスト。W杯ベスト4の悲願を後輩たちに託し、名手は静かにスパイクを脱いだ。(C)Getty Images

子どもたちとスタンドを一周したベスト。W杯ベスト4の悲願を後輩たちに託し、名手は静かにスパイクを脱いだ。(C)Getty Images

 この日一番の、感動的な光景が広がっていた。

 東京スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ準々決勝、ニュージーランドvsアイルランドの一戦は、前者が7トライを奪う猛攻で46対14の快勝を収めた。その試合後だ。フラッシュインタビューに姿を現わしたアイルランド代表キャプテン、ローリー・ベストに向けて、スタンドから万雷の拍手喝采が浴びせられた。敵味方のサポーターに関係なく、4万8000を超える観客が総立ちで、名手の花道を称えたのである。

 37歳のフッカーにとって、ニュージーランド戦は124キャップ目にして現役ラストマッチとなった。開幕前に、今大会後の引退を表明していたからだ。アイルランド本国から大挙して駆け付けた2万人近いサポーターたちは、国民的英雄に熱い声援を贈り続け、最後はスタンド中がセレブレーションに包まれた。何度か涙を拭いながらベストは、スタンドから自身の子どもたちを招き入れ、名残惜しそうにグラウンドを一周し、静かにスパイクを脱いだ。

 プレスカンファレンスの壇上で闘将は、「信じられないくらいタフなテストマッチだった。僕たちは良い準備をして臨んだけど、小さなミスによってオールブラックスにグッドスタートを切らせてしまった」と悔やみ、苦しい胸の内を明かした。

「ロッカールームはかつてないほどの静寂で、大きな男たちが涙を流していたよ。身も心も捧げた大会でこのような結末を迎えると、得てしてそうなるものだ。僕自身、いまはただ疲れていて、打ちのめされ、大いに失望している」
 一方で、4度目の出場となった最後のワールドカップには、大いに満足しているという。

「まるでローラーコースターのように、感情のアップダウンがある大会だったね。とても大きなプレッシャーの中で始まり、チーム一丸となって戦えたことを誇りに思う。本当に日本での日々は素晴らしく、最高の思い出になった。日本ラグビーと(大会を運営する)ワールドラグビーに感謝したい。僕たちをこの大会で戦わせてくれてありがとうと。もうこの大会を去るのかと思うと、残念でしょうがないよ」

 そして、「これから緑のジャージはサポーターとしてしか着れなくなる。寂しいことだね」としみじみ語り、会見場を後にした。

 スタジアムの外では、悔しい敗戦にあっても底抜けに陽気でフレンドリーなアイルランド人たちが、思い思いに最後の夜を楽しんでいた。京王線・飛田給駅の周辺には、真夜中までアンセム『Ireland’s Call』の歌声がこだましていた。

 ジェイミージャパンとワールドカップ史に残る名勝負を演じ、ピッチ内外で鮮烈なインパクトを残したアイルランド。日本のファンはきっと、あなたたちを忘れない。

取材・文●川原崇(THE DIGEST編集部)

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