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バレーボール

「ちょっとしたミスが命取り」想定以上に大きかった中国の“壁”。中田久美監督が「唯一の収穫」と評価したのは?

北野正樹

2021.05.02

「火の鳥NIPPON」を指揮するのは中田久美監督。写真はタイムアウト中の様子だ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

「火の鳥NIPPON」を指揮するのは中田久美監督。写真はタイムアウト中の様子だ。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 5月1日、バレーボールの女子日本代表の国際親善試合~東京チャレンジ2021~が、東京五輪の会場となる有明アリーナで行なわれた。2019年9月以来、約1年半ぶりの国際大会となった世界ランキン7位の「火の鳥NIPPON」は、リオデジャネイロ五輪優勝で同1位の中国に0-3(16-25、18-25、29-31)でストレート負けを喫した。

 3月の強化合宿以来、世界の高さに対抗するため男子選手を練習相手にしてきた。しかし、想定以上に中国の“壁”は大きく立ちはだかった。

 第1セットの先発メンバー6人(リベロを除く)の平均身長は、中国の191.7センチに対し、日本は11.9センチも低い。サーブレシーブも正確に返らないうえ、ストレートに放つアタックはことごとくブロックに阻まれた。

 何とかスパイクのコースを工夫したり、フェイントなどで中国の守りを崩そうとはした。だが、中国は一枚上手だ。フェイントも多用してからは一方的な展開を余儀なくされてしまった。

 選手たちも実力差を実感する。「男子を相手に練習をしてきたが、中国は(日本のアタックが)ブロックを抜けてもボールが落ちなかった」と荒木絵里香主将(トヨタ車体)が語れば、長岡望悠(久光)は「男子を相手に練習をしてきたが、スピード感などちょっと違う部分があった」とコメント。それだけ世界トップは想定以上だったのだろう。
 
 善戦したのは第3セットだけだった。長岡、石井優希(同)に加え、セッターに田代佳奈美(デンソー)を先発で起用。この試合で初めてリードを奪い有利に試合を進めて19-14としたが、最後はデュースに持ち込まれ、1セットも奪えないままに終わった。

 5位につけたW杯でも、中国にはストレート負け。それに比べ、今回はセットを取る直前にまで持ち込めただけに、荒木は「W杯では力のなさを痛感した。今日は(セットを取れなかったが)競る展開にまで持ち込めたのは、チームとしてよくなった部分があった」と、チームの成長を感じ取っていた。
 
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