専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ゴルフ

上田桃子が打ち勝った“自分との戦い”。「カッコつけずにやれよ」と言われて訪れた変化とは?

山西英希

2021.05.03

2年ぶりの勝利に笑顔をはじけさせた上田。強風の中でも終始崩れることがなかった。(C)Getty Images

2年ぶりの勝利に笑顔をはじけさせた上田。強風の中でも終始崩れることがなかった。(C)Getty Images

 今年の国内ツアー第9戦『パナソニックオープンレディース』最終日、首位と2打差でスタートした上田桃子が、通算5アンダーで並んだ大里桃子とのプレーオフを制し、2019年の『ヨネックスレディス』以来となる16勝目を挙げた。

【動画】「やっと優勝できました!」2年ぶりVを飾った上田桃子、歓喜のコメントをチェック!

 強風が吹き荒れたこの日の平均スコアは76.0667で、前日までの平均スコア72.2489を大きく下回った。それに比例するかのように、リーダーボードの数字も落ちていく。一時はトップのスコアが9アンダーまでいったが、気がつけば6アンダーまで下がり、ついに上田が単独トップに躍り出た。

 といっても、1番から14番までパーを並べた結果で、スコアを伸ばしたわけではない。目の前のホールに集中することだけを考え、できるだけイージーなパーパットを残すように心がけた。強風が吹き荒れる上に、ピン位置が難しく、グリーンも速い。少しでも気を抜けば簡単に3パットの洗礼を浴びる状況だったことを考えれば、上田の作戦は大正解だったといえる。
 
 しかし、その上田も15番パー4でついにボギーを叩く。グリーン手前からのアプローチをピンに寄せ切ることができなかったのが原因だ。それでも5アンダーはトップタイであり、残り3ホールをすべてパーセーブした結果、大里とのプレーオフとなった。

 プレーオフ初挑戦の大里に対し、上田は何度も経験して勝利も収めている。さすがにプレーオフの舞台が9番パー3だったことには動揺したが、開始時点では焦りがなく、本戦と同じように目の前の一打に集中した。

 1ホール目、先に打った上田のティショットは強風に負けず、しっかりとコントロールされてグリーンをとらえる。危なげなく2パットのパーで収めると、2ホール目に突入。

 今度もティショットはナイスオン。ベテランらしく大里にプレッシャーをかけ続ける。それが影響したのか、大里のティショットはグリーン右手前のバンカーへ。寄せ切れずにボギーに終わる。対する上田は1メートルのパーパットを沈めると、両手を高々と上げるガッツポーズを見せた。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号