専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バレーボール

エース西田不在のなか“五輪を知るベテラン“清水邦広が存在感!中垣内監督も高評価【男子バレー】

THE DIGEST編集部

2021.05.09

清水はこの日の紅白戦でも16得点を挙げてアピールした。写真:北野正樹

清水はこの日の紅白戦でも16得点を挙げてアピールした。写真:北野正樹

 バレーボールの日本代表男子「龍神NIPPON」は5月9日、群馬・高崎アリーナで、有料の紅白戦を行ない、東京五輪前の国内での試合を終えた。

 高橋藍(日体大2年)や大塚達宣(早大3年)ら若い新戦力が台頭したほか、2008年北京以来の五輪出場を目指す清水邦広(パナソニック)も存在感を示した。前日の試合で負傷退場したエース西田有志(ジェイテクト)は右足首ねん挫で骨に異常はないことが判明したが、10日以降に実施する精密検査を待たなければ詳細なケガの状況は分からないといい、不安要素を抱えたまま、今月末からイタリアで行なわれる「FIVBネーションズリーグ」への調整を余儀なくされる。

 西田の状態について中垣内祐一監督が試合後の記者会見で、「レントゲン検査では骨には異常がないことが分かったが、精密検査が出来ていないのでケガの詳細はわからない」と説明し、「一日も早く復帰できるようにベストを尽くす。彼には(試合にも)帯同してもらう」と明言した。ただ、復帰の時期などについては「検査結果が出てからになる。精密検査の日程もまだわからない」と言及を避けた。

 5月1、2日に行なわれた約1年6か月ぶりの国際大会に続く、代表の実戦(紅白戦)2日間を総括し、指揮官は「昨日の試合は、中国戦から日が開いて少し準備不足だった。コンビも合わず、(プレーの)キレも悪かった。今日は、昨日より内容がいいし、期待していたことが出た。試合前のミーティングで話したことを、(選手が)積極的に出していた」と評価。ミーティングでの指示内容は「話せない」とし、「ミドルのオフェンスについていくつか指示を出したが、積極的に対応していた」とだけ説明した。
 
 この日も白組の高橋藍が強烈なジャンプサーブやバックアタック、堅実なレシーブで2072人のファンを沸かすと、紅組の大塚もバックアタックを決めて躍動。そんな中で、34歳の清水も前日の両チームトップの17得点に続き、この日も16得点を挙げて存在感を示した。ジャンプ力の衰えを肘を伸ばして打点を下げずに打って補う工夫を見せたり、相手守備のスキを突いたフェイントで攻めたり巧打を披露している。

「五輪には12人しか選ばれないので、世界と戦えるコンディションを作って、自分の持ち味をアピールしたい」と清水。中垣内監督も「彼はこのチームに残りたい、東京五輪に出たいという気持ちを秘めてプレーしてくれている」と、五輪を知るベテランに期待していた。

文●北野正樹(フリーライター)

【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号