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「怪我する前よりも強くなれた」涙のエース村上茉愛が高難度“シリバス”を決め2大会連続五輪代表を掴む!

THE DIGEST編集部

2021.05.15

2018年世界選手権の女子個人総合で銀メダルを獲得した実績を持つ村上。(C)Getty Images

 5月15日、体操の『NHK杯』が長野県のビッグハットで開催。4月に行なわれた『全日本選手権』の予選・決勝の合計得点+今大会の得点で争われた東京五輪の団体代表には、村上茉愛、畠田瞳、平岩優奈、杉原愛子が内定した。

 日本のエース村上は、2種目目の段違い平行棒でトカチフを決めた直後に左手が離れるミスがあったものの、何とか右手で耐えて落下をふせぐ。そして最終種目となった床では、代名詞でもある大技"シリバス"を決めるなど脚力を活かした演技を披露し、合計168.030点で、3年ぶり優勝を飾った。

 2位には4種目を通して安定感のある演技をした畠田が入った。また2014年世界選手権代表の平岩が美しい体操を披露し3位とし、初の五輪代表権を掴んだ。競技後、団体の得点が最も高くなる選手が選考委員会にかけられた結果、4位に入った杉原が最後の一枠を手にした。
 
 競技後、村上は「コロナのこともあったり、怪我があったりとか、3年間がすごく長かったんですけど、自分の体操が好きってことを改めて分かることが出来たし、一から競技力、人間力を見直すことが出来て、怪我する前よりも強くなれた」と目に涙を浮かべながらインタビューに答えた。

 続けて、「怪我をして這い上がってこれたのは、今後の大きな原動力にもなるし、それを乗り越えてきたから、プレッシャーも乗り越えられると思う。その思いは忘れずに辛い時があったら思い出して、オリンピックでも最高の演技が出来るように自分は準備するだけなので、いつどんなことが起きても大丈夫なのように毎日淡々と練習していきたい」と意気込んだ。

 ロンドン、リオ五輪に出場したベテラン寺本明日香は、追い上げをみせるも、160.761点で5位となり3大会連続出場を逃した。畠田瞳の妹・千愛は6位としたため念願の姉妹出場は叶わなかった。

構成●THE DIGEST編集部