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角田裕毅の言動に元王者D・ヒルも苦言…ロス・ブラウンはルーキーの現状を分析して「最高のルーキー」発言を反省

THE DIGEST編集部

2021.05.17

角田の無線での暴言が議論を呼んでいる角田。才能に対する評価は落ちていないが、苦言を呈するOBが続出している。(C)Getty Images

角田の無線での暴言が議論を呼んでいる角田。才能に対する評価は落ちていないが、苦言を呈するOBが続出している。(C)Getty Images

 F1第4戦のスペイン・グランプリ予選でスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅がQ1脱落を喫した際、無線でスラングをまじえて不満の言葉を吐き、さらにメディアに対しても誤解を招きかねないコメントを発したことは、関係者の厳しい反応を引き出すこととなった。

 すでに多くのF1ドライバーOBらが、日本のルーキーに苦言を呈しているが、これに元ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルも加わった。1996年にウィリアムズで年間王者となり、親子二代での世界制覇という偉業を果たした英国人は、『F1 Nation Podcasts』で、角田の今回の言動が、彼のF1での見通しを暗くしてしまう危険があると警告している。

「もし、角田がF3かF2にいて、お金を払ってドライブしているというのなら、チームを批判することもできるが、彼はF1にいて、スタッフたちにお金を払ってもいない。にもかかわらず、彼は一線を越えてしまったから、マーティン(・ブランドル)やジェイソン(・バトン)からも苦言を呈されることになった。あれは、F1ドライバーがすべき振る舞いではない」

このように語ったヒルは、続けて「彼には、今までと違う環境で、新たに学ぶことが多くある。F1の世界に入ったら、多くの教訓を得ることになる。それはドライビングに関するものだけではない」との訓示を、F1の後輩に与えた。
 
 一方、以前に角田を「最高のルーキー」と絶賛したF1テクニカルディレクターのロス・ブラウンも、第2戦以降は苦戦を続けている21歳になったばかりの日本人ドライバーに改めて言及している(『Motorsport.NEXTGEN-AUTO.COM』より)。

「角田はおそらく、少しばかりフラストレーションを感じているのだろう。彼には高すぎる期待がかけられており、我々もそれに加担してしまっているのだと思う。ゆえに彼は、ハードにプッシュしすぎている」

 このようにルーキーを取り巻く状況を分析する彼は、前述の「最高のルーキー」という言葉については、いらぬプレッシャーをかけることになってしまったということで、「あのようなことは言うべきではなかったのだろう」と反省の弁を述べている。

 もっとも、それでも角田については「高いポテンシャルを秘めていると、今でも思っている」と評価そのものに変わりはないことを強調するブラウンTD。彼はまた、角田と同じルーキーであり、かつて自身がベネトン、フェラーリで共に黄金時代を謳歌したミハエル・シューマッハーの息子であるミックにも賛辞を贈っている。

 弱小ハースで常に後方での走行を余儀なくされながらも、耐え忍びながらレース毎に成長の跡を見せているドイツ人ドライバーについて、「まだ何かを判断することは時期尚早だが、彼はとても冷静で、論理的だ。情熱的ではあるが、感情のコントロールを失うことがない。とても良い人間で、愛すべき存在でもある。F1でもそのポテンシャルを発揮し始めており、私は彼の成功を祈り続けている」と語った。

構成●THE DIGEST編集部

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