現地時間５月29日、WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦が、米カリフォルニア州カーソンで行なわれ、挑戦者のノニト・ドネア（フィリピン）が、王者のノルディーヌ・ウバーリ（フランス）を下して王座に返り咲いた。

　衝撃の決着だった。序盤はウバーリが積極果敢に仕掛けたが、徐々にドネアがペースアップ。３ラウンド目にペースを乱したチャンプから２度のダウンを奪ったフィリピンのベテラン戦士は、続く４ラウンド目にラッシュをかけると、最後は渾身の左フックを相手に炸裂させ、17戦無敗の王者をリングに沈めた。

　持ち前のパワーと元世界５階級王者の矜持を見せつけたドネアは、試合後のインタビューで、「皆さんに応援してもらって最高の気分だ。私にはまだ成長する力がある。年齢は関係ない。彼のパターンは分かっていたから、彼の弱さが出た時に畳みかけられた」とウバーリ撃破の要因を説明。そのうえで、あの男とのリマッチに向けたコメントも続けた。

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  「イノウエとはまたやりたいと思っている。あの時は勝てなかったが、今日の試合に勝ちたかったのは、全てイノウエともう一度戦うためだ。私が問答無用のチャンプになるための目標だった」

　改めて“打倒モンスター”を明言したドネア。改めて存在感を強めたベテラン戦士の動向からますます目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部