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格闘技・プロレス

「現役の選手に失礼ではないか?」熟考の末に9年ぶりのリングに立つ植松寿絵が語るGAEAISM「出場の決め手は里村明衣子」

どら増田

2021.06.08

久々にリングに立つ植松は、正直な言葉で当時と今の想いを明かした。

久々にリングに立つ植松は、正直な言葉で当時と今の想いを明かした。

 昨年4月、およそ15年ぶりに一夜限りの復活が発表された女子プロレス団体『GAEA JAPAN』の運営会社が中心となって開催が決定していた『GAEAISM ―Decade of quarter century―』。新型コロナウイルス感染拡大の影響で約1年間の開催延期となっていたが、紆余曲折を経て、来る6月13日に東京・大田区総合体育館でようやく開催される運びとなった。

 注目は「GAEAISM THE HISTORY」と命名されたセミファイナルだろう。長与千種&KAORU&広田さくらと里村明衣子&永島千佳世&植松寿絵が対戦する豪華な6人タッグマッチが実現したのだ。

 そんなOGマッチに向け、2012年4月30日に引退して以来、9年ぶりにリングへ戻って来る植松に心境を聞いた。

「私にとってGAEA JAPANは、人生の基盤を作ってくれた場所です。楽しかった思い出より辛かった思い出の方が圧倒的に多いです。練習も生活も体育会系縦社会で厳しかったし、辛かった。よくやり遂げたなって思います」と振り返る彼女は、当時の想いを明かした。

「『お前の代わりはいくらでもいる』『まわりを蹴落として生き残れ」』と言ういわゆる獅子の子落としの育て方に内心ずっと反発していましたから。プロレスに限らず、スポーツをする者だったら、強靭な肉体&精神を作り上げ成功するためには大正解な王道の考え方です。けど、最後まで……引退した今でも王道教育には私は反発してます。仲良しこよし精神論者なので(笑)」

 ただ「確実にGAEA JAPANの10年間で学んだ事が後の成功につながっているし、今現在の強さにつながる」と強調する植松は、今回のGAEA復活については、「最初に聞いた時の素直な感想は『やめたほうがいいのに』でした」と意外な答えを返す。
 
「2020年(初回開催発表時)現代のプロレス界に過去の古い記憶を出して来てどうするのか? 新しい時代の今、現役の選手に失礼ではないか? と思ったのが素直な感想です。ですから初めは断りました」

 しかし、そんな植松の心は「いろいろ話を聞いていくうちに、過去から現代、現代から未来、また過去から未来へ繋ぐための意味のある大会なのだ」と変化。そして、ある人物の影響によって参加を決意する。

「出場する最大の決め手となったのは、里村明衣子です。女子プロレスの未来を誰よりも一番に考え行動しているのは里村だと思います。女子プロレスの最高神、“天照大御神”的な里村が賛同しているのだから間違いないと思いました」

 同期の里村の参戦もあってリングに舞い戻る植松だが、「『復帰』『復活』という言葉はGAEAISMに対する私のイメージとは合わないので使いたくありません呼び出されるイメージなので、あえて『召喚』と書きます」と強調する。

 気になるコンディションも「約1年2か月の延期期間は、いつ開催されても良いようにトレーニングと身体のメンテナンスは続けて来ました。今は普通にスポーツジムでインストラクターの仕事をしてるので、開催ギリギリまで仕事優先です。前日も普通に仕事します」と全く問題ない様子だ。
 
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