格闘技・プロレス

右足を切断した“義足のレスラー”谷津嘉章、ハンデも奇跡の復帰戦で自信!「可能な限り試して挑戦していく」【サイバーフェス】

どら増田

2021.06.07

リングで懸命な姿を見せた谷津。義足戦士の戦いぶりは観る者を大いに勇気づけた。写真提供:CyberFight

 6月6日、CyberFight傘下の4団体(DDTプロレス、プロレスリング・ノア、東京女子プロレス、ガンバレ☆プロレス)による合同興行「CyberFight Festival 2021」が、埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催され、"義足戦士"の谷津嘉章が2年ぶりにリングに上がった。

 谷津は、DDTプロレスに参戦していた19年6月に糖尿病が悪化して右足を切断。その後、懸命なリハビリに励み、義肢装具業界のリーディングカンパニー・川村義肢社が開発したプロレス用の義足を装着してリングに立った。

 注目を集めた「STARTING BATTLE 時間差入場バトルロイヤル」(15人参加)に出場した谷津は、五輪ならぬ"八輪"マークが入ったアマレス風のコスチュームで1番目に入場。これには早くも客席がヒートアップする。

 DDT、プロレスリング・ノア、ガンバレ☆プロレス、フリー選手と闘った谷津は、大石真翔にフロントスープレックスをかませば、高鹿佑也にはブルドッキングヘッドロックをお見舞い。会場のボルテージをより一層高めていった。

 しかし、平田一喜に裏投げから監獄固めに入ったところ、後ろから井上雅央にスクールボーイで丸め込まれた谷津は3カウントを奪われて、失格となった。声を出しての応援が可能であれば、雅央には大ブーイングが送られていただろう。
 
 だが、懸命なリハビリの末に辿り着いた檜舞台に手応えを感じたようだ。バックステージで谷津は、「義足ですから、生身の体じゃなくて人工物なので。まだ躊躇してヒットしていいのか、手加減するのがいいのかがわからない」としつつも、「もう1回やらせてもらわないと。バトルロイヤルじゃなんともならない」とやる気をみなぎらせた。

「義足を開発していただいて、それをつけてリングに上がるって初めての経験で。そういう意味では満足にできなくて当たり前。でもリングに上がったら、そんなの許されない。次につながる可能性を見いだしていかないと。可能な限り試して挑戦していかないと」

 なお、バトルロイヤルは2人残りのアントーニオ本多が急所打ちからスクールボーイで井上を丸め込んで優勝している。

◆サイバーファイト◆
『CyberFight Festival 2021』
2021年6月6日
埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ
観衆 4800人(超満員)

▼STARTING BATTLE 時間差入場バトルロイヤル 時間無制限勝負 
○アントーニオ本多<12> vs 井上雅央●<5>
22分31秒 横入り式エビ固め
※< >内は入場順。
【退場順】
①○火野裕士<11> vs まなせゆうな●<10>
11分11秒 オーバー・ザ・トップロープ
②〇みんな vs 大石真翔●<2>/岡田佑介●<8>
11分31秒 体固め
※押さえ込む。
③○谷口周平<5> vs 桜井鷲●<9>
12分57秒 片エビ固め
※ファンキー・プレス
④○火野裕士 vs 高鹿佑也●<3>
13分6秒 体固め
※ダイビング・ボディープレス
⑤〇井上雅央 vs 谷津嘉章●<1>
14分4秒 横入り式エビ固め
⑥○齋藤彰俊<5> vs 平田一喜●<4>
16分31秒 片エビ固め
※スイクルデス
⑦○モハメドヨネ<5>/○大鷲透<7> vs 火野裕士●/谷口周平●
17分11秒 オーバー・ザ・トップロープ
⑧○井上雅央 vs 齋藤彰俊●
18分51秒 オーバー・ザ・トップロープ
⑨○モハメドヨネ vs 赤井沙希●<6>
19分27秒 体固め
※キン肉バスター
⑩○大鷲透<7> vs モハメドヨネ●
19分3秒 十字架固め
⑪○アントーニオ本多/○井上雅央 vs 大鷲透●
19分4秒 エビ固め
※十字架固めをひっくり返す。

文●どら増田
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【動画】不屈の荒武者! ファンのボルテージが上がった谷津のリングインシーンはこちら