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「本当なら5位に入れた」反省しきりの角田裕毅…一方でトスト代表は絶賛「彼は大きく改善した」

THE DIGEST編集部

2021.06.10

2台に抜かれて7位に落ちたリスタート直後の展開を、角田はひどく悔やんでいるようだ。(C)Getty Images

 F1第6戦のアゼルバイジャンGPで自己最高となる7位入賞を飾ったスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅。予選では初のQ3進出を飾るなど、このところ苦戦が続いていたルーキーにとっては、流れを変えるきっかけを掴んだ良い週末となった…はずだった。

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 しかし、自身に厳しいルーキーはレース後、F1公式サイトのインタビューで「本当に怒っている」と語り、チーム公式サイトでのコメントや自身のSNSにも反省の言葉が多く含まれていた。理由はもちろん、再スタートでランド・ノリス、フェルナンド・アロンソに抜かれてしまったことだ。

「本当なら5位に入れた」と悔やむ彼は、無線で「どうしようもなかった!」と叫び、「あの状況では何もできなかった。時をさかのぼってスタートの事を考えたとしても、あれを避ける方法は正直なところ、分からない」と続けたという。そして、「全体的にこの週末はポジティブなことがあったのは確かですが、最後のラップについては本当に怒っています」と正直な気持ちを口にした。
 
 しかし角田が見せたパフォーマンスは、彼のボスであるチームプリンシパルのフランツ・トストに強い感銘を与えたようだ。現在はイタリア・ファエンツァで角田の"教官"としてマンツーマントレーニングを指導しているチーム代表は、「ユウキは素晴らしい仕事をしたと言わざるを得ない」と語っている。そして、「角田にとって最も完成度の高い週末だったか?」という質問にも、「イエスだ。彼は大きく改善した」と答えた(専門メディア『RN365』より)。

「彼にとって、アゼルバイジャンでのレースが初めてだったことを忘れてはならない。バーレーンでもF1の初レースで9位に入ったが、あのコースのことはF2時代に彼はよく知っており、テストによって最適のセットアップを見つけていた。しかしバクーでは、何も知らないところから、すぐにコースに慣れ、7位でフィニッシュしてみせた」

 いかにこの週末の角田が優れていたかを、トスト代表はさらに強調。「素晴らしい仕事であり、素晴らしいパフォーマンスだった。今後、幾つかのことに取り組まなければならないが、彼は素晴らしい才能を持っているので、全てをまとめ上げられると確信している」と、今後に向けても太鼓判を押した。
 
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「彼のレースペースは時々、信じられないものだった」