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格闘技・プロレス

「相手の足腰は強いから…」“柔術界の至宝”サトシが英雄ムサエフを瞬殺できた理由は?【RIZIN】

THE DIGEST編集部

2021.06.14

狙い通りの寝技でサトシ(左)がムサエフ(右)を飲み込んだ。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

狙い通りの寝技でサトシ(左)がムサエフ(右)を飲み込んだ。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

“柔術界の至宝”が東京ドームを震撼させた。

 6月13日、総合格闘技団体「RIZIN」のビッグマッチ『RIZIN 28』が開催され、RIZINライト級王座戦では、ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)が、トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)を撃破した。

 下馬評ではRIZINでの経験が豊富なアゼルバイジャンの英雄が有利と見られていた。だが、18歳で兄のマウリシオ・ダイ、マルコス・ヨシオを追って来日して以来、辛抱強く研鑽を積んできたサトシが見事なアップセットを演じた。
 
 序盤からグラウンドに持ち込み、磨き上げてきた自慢の寝技でムサエフを捉えたサトシは、一度は相手に腕を外されかけるも、再びガッチリと掴みなおし、最後は鮮やかな三角締めで見事にタップアウトを奪った。

 誰もが息をのんだ緊張感に包まれた試合後、会見で「本当に夢かな。それだけを考えるよ。絶対、アゼルバイジャンにあったRIZINのベルトを日本に持ち帰るつもりでいた」と日本語で本音を口にしたサトシは、満面の笑みを浮かべながら臨んだ会見で勝因を振り返った。

「試合前は相手の足腰は強いから倒せないと思っていた。だけど、最初に投げられて絶対に出来ると思うようになった。技を決められるし、勝てると思った。僕らのチームはとにかく気持ちと自信がある。毎日強い人たちとキツイ練習しているから絶対に負けないよ」

 兄、それからメインで朝倉未来を破ったクレベル・コイケ(ブラジル)と共に静岡県の浜松で、父が創設した“ボンサイ柔術”を学んできた。その力で世界から注目される強敵を下したサトシは、「本当に自分たちを信じてきてよかった。今は家族と焼き肉を食べたいね」とはにかんだ。彼は間違いなく、MMAでは18年ぶりとなる東京ドーム開催イベントの主役だった。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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