6月13日、MMAイベントでは18年ぶりの開催となった東京ドームでの『RIZIN 28』。その大トリを見事に飾ってみせたのは、“柔術界の鬼神”だった。
日本格闘技の歴史が紡がれてきた大舞台。そこで華麗なる寝技を披露したのは、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)だ。朝倉未来(トライフォース赤坂)とのメインマッチに臨んだ31歳が、勝負に出たのは、2ラウンド目だった。
強烈な右のパンチを浴びせ、さらに顔面を潰すかのような肘鉄を超至近距離から何発も打ち込むと、「コーナーからは(極めに)入らないと思っていた」という未来を尻目に、スペースの少ないながらも相手を引き込んで三角絞めを炸裂。戦前に「タップの選択はない」と公言していた未来が力なく失神し、雌雄が決した。
日本のMMA界のエースとも言える未来が落ちた――。その衝撃に試合後のSNSでは、クレベルの極めた「三角締め」がトレンド入り。昨年大晦日に行なわれた『RIZIN26』で、堀口恭司が朝倉海を撃破したカーフキックのように小さくない話題となった。
そもそも三角締めは柔術においてはベーシックな技の一つだ。型や仕掛け方などのバリエーションは増えつつあるが、昨今に入ってから編み出されたものなどではない。
とはいえ、MMAで不利と考えられている下からの三角締めのインパクトが絶大だったのは言うまでもない。「毎日3、4時間、柔術の練習だけに費やしている」というクレベルは、その秘訣を明かした。
「力じゃないんだ。柔術はテクニックが重要になる。最近の柔術はスタイルが変わってきている。みんな、ラペラや50/50みたいなフリースタイルばっかりでつまらない。でも、三角や十字、オモプラータみたいな基本も大事。これが一番大事なんだよ。これはエリオ・グレイシーも言っていたけど、柔術はセルフディフェンスにもなるからね。あとは考えるよりも、チャンスがあったらオートマチックに極めに行く。これが僕らのスタイル」
地上波でも生中継がされ、列島の注目を集めたビッグマッチで勝利の女神を振り向かせたのは、クレベルの努力の結晶とも言えるベーシックな技だった。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
日本格闘技の歴史が紡がれてきた大舞台。そこで華麗なる寝技を披露したのは、クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)だ。朝倉未来(トライフォース赤坂)とのメインマッチに臨んだ31歳が、勝負に出たのは、2ラウンド目だった。
強烈な右のパンチを浴びせ、さらに顔面を潰すかのような肘鉄を超至近距離から何発も打ち込むと、「コーナーからは(極めに)入らないと思っていた」という未来を尻目に、スペースの少ないながらも相手を引き込んで三角絞めを炸裂。戦前に「タップの選択はない」と公言していた未来が力なく失神し、雌雄が決した。
日本のMMA界のエースとも言える未来が落ちた――。その衝撃に試合後のSNSでは、クレベルの極めた「三角締め」がトレンド入り。昨年大晦日に行なわれた『RIZIN26』で、堀口恭司が朝倉海を撃破したカーフキックのように小さくない話題となった。
そもそも三角締めは柔術においてはベーシックな技の一つだ。型や仕掛け方などのバリエーションは増えつつあるが、昨今に入ってから編み出されたものなどではない。
とはいえ、MMAで不利と考えられている下からの三角締めのインパクトが絶大だったのは言うまでもない。「毎日3、4時間、柔術の練習だけに費やしている」というクレベルは、その秘訣を明かした。
「力じゃないんだ。柔術はテクニックが重要になる。最近の柔術はスタイルが変わってきている。みんな、ラペラや50/50みたいなフリースタイルばっかりでつまらない。でも、三角や十字、オモプラータみたいな基本も大事。これが一番大事なんだよ。これはエリオ・グレイシーも言っていたけど、柔術はセルフディフェンスにもなるからね。あとは考えるよりも、チャンスがあったらオートマチックに極めに行く。これが僕らのスタイル」
地上波でも生中継がされ、列島の注目を集めたビッグマッチで勝利の女神を振り向かせたのは、クレベルの努力の結晶とも言えるベーシックな技だった。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)