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今季のボッタスに付きまとうネガティブな印象…「対レッドブルの争いにおいて働きが不十分」との指摘も

THE DIGEST編集部

2021.07.03

ハミルトン(左)からの信頼は得ているようだが、それでもボッタス(右)に対するメディアの評価は辛い。(C)Getty Images

 F1はここまで第8戦を終えたが、コンストラクターズランキングでトップを走っているのは、獲得ポイント252点のレッドブルで、現在7連覇中の2位メルセデスは40点引き離されている。戦前にライバルたちから警戒されていたレッドブル・シャシーとホンダ・パワーユニットの融合体が、レースごとにそのポテンシャルを発揮してきた結果だろう。

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 これに対し、ドライバーズランキングを見ると、安定した速さを見せているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が最多の156点を獲得しており、これを追うメルセデスのルイス・ハミルトン(メルセデス)が138点で追っている。両者の差は18点だ。開幕から4戦は絶対王者が肉迫するフェルスタッペンを抑え込んできたが、モナコ・グランプリ以降は完全に形勢が逆転してしまっている。

 さて、コンストラクターとドライバーのポイント差の違いは、当然ながら両チームのもうひとりのドライバーの成績によって生じたものだ。ここまで、セルジオ・ペレス(レッドブル)は96点でドライバーズランキング3位。一方、ヴァルテリ・ボッタスは74点にとどまり、さらにマクラーレンのランド・ノリス(86点)の先行をも許している。
 
 毎レース、どのドライバーがこれを制するかがF1の最大の注目点だと言えるが、この競技の基本はチームでの競争だ。開催者からの賞金がドライバー個人ではなく、チームに支払われ、その額がチームとしての成績によって決まることもからも、それが分かるだろう。チームは、2人のドライバーがどれだけ多くのポイントをチームに持ち帰るかを重視する。トップチームであれば毎レース、43点(1、2フィニッシュでの合計ポイント)を狙い、さらにファステストラップによる1ポイントにも執着を見せるほどだ。

 こうした、チーム単位のポイント争奪戦の中では、優勝争いを展開する上位2チームのドライバー4人の中で最も成績の劣るボッタスが、厳しい立場に置かれるのは当然と言えよう。シュタイアーマルクGPでは3位(今季最高タイ)で4戦ぶりに表彰台(今季4回目)に立ち、下位やリタイアに終わったレースでも、アクシデントやチームのミスという不運に見舞われてのものが多かったが、今なお彼にはネガティブ印象が付きまとっている。