F1は第9戦オーストリアGPを終えた後、次のイギリスGPまでに2週間の空きがあるが、この間にタイヤサプライヤーであるピレリの2022年用タイヤの開発テストが行なわれ、7月7日にはスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅が走行を実施した。
【PHOTO】歴代の名車がずらり! F1世界選手権で成功を収めたマシンを一挙に紹介!
このテストは、各チームの協力の下に年間10回行なわれ、今回はアルファタウリがレッドブル・リンクでのテストを担当。6日にはピエール・ガスリーが164周を走行。翌日は角田が18インチのプロトタイプタイヤを数種類試し、131周(午前59周、午後72周)の周回を重ねた。なお、次のテストはイギリスGP後にシルバーストーンで行なわれ、テスト走行はレッドブル、アストンマーティン、ハースが担当するという(ピレリモータースポーツ公式SNSより)。
このように、すでに角田は新たな仕事をこなし、次のレースに向けての準備を始めようとしているところだが、各国のメディアは、今なおオーストリアGP決勝での2度にわたる「白線越え」を忘れておらず、これを話題にしているところも幾つかある。
ブラジルの『GRANDE PREMIO』では、このサイトを運営する同国の著名なジャーナリスト、ヴィクトル・マルティンス氏が、角田はピット入口の白線を“軽視”し、さらに同じ過ちを犯したことを「愚か」として、このような行為に対しては今後、より重いペナルティーを下すべきだと主張している。
一方、ドイツの『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』もこの件に言及し、こちらはレッドブル・グループの顧問であるヘルムート・マルコとのインタビューの中で、「角田は一体どうしたのか? 彼はピットでの自分の通るべき道が分からないのか?」と皮肉めいた内容の質問を提示。これに対し、ここまで角田について「傲慢」「頑固者」といった言葉で苦言を呈してきたマルコ顧問は、「おそらく、我々の視線が彼よりも高いことを自覚するべきなのだろう(笑)」と“身長いじり”のジョークを返すにとどまった。
「白線越え」の件について、角田自身は「前回のレース(シュタイアーマルクGP)と同じようにやっていたのが、今回はペナルティーを受けた。今後は同じことはしない」と語り、ミスを繰り返した原因として、チームが2度目のピットストップまでペナルティーのことを連絡していなかったと明かしている。とすれば、チーム(グループ)としてはこれ以上、追及することではないのだろう。
この違反の他、トラックリミット、進路妨害によって、これまでにペナルティーポイント(12か月間で12になったら1戦出場停止)4を科せられているルーキー。まさに、高い授業料を払いながら様々な経験を積み重ねているといったところだろうが、一方でこの2戦では“悪癖”のクラッシュはなく(ターン9でスピンは喫したが)、予選ではしっかり好タイムを出すなど、進化は見せていると言えよう。果たして次のイギリスGPでは、彼のどちらの面が見られるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
【PHOTO】歴代の名車がずらり! F1世界選手権で成功を収めたマシンを一挙に紹介!
このテストは、各チームの協力の下に年間10回行なわれ、今回はアルファタウリがレッドブル・リンクでのテストを担当。6日にはピエール・ガスリーが164周を走行。翌日は角田が18インチのプロトタイプタイヤを数種類試し、131周(午前59周、午後72周)の周回を重ねた。なお、次のテストはイギリスGP後にシルバーストーンで行なわれ、テスト走行はレッドブル、アストンマーティン、ハースが担当するという(ピレリモータースポーツ公式SNSより)。
このように、すでに角田は新たな仕事をこなし、次のレースに向けての準備を始めようとしているところだが、各国のメディアは、今なおオーストリアGP決勝での2度にわたる「白線越え」を忘れておらず、これを話題にしているところも幾つかある。
ブラジルの『GRANDE PREMIO』では、このサイトを運営する同国の著名なジャーナリスト、ヴィクトル・マルティンス氏が、角田はピット入口の白線を“軽視”し、さらに同じ過ちを犯したことを「愚か」として、このような行為に対しては今後、より重いペナルティーを下すべきだと主張している。
一方、ドイツの『MOTORSPORT MAGAZIN.COM』もこの件に言及し、こちらはレッドブル・グループの顧問であるヘルムート・マルコとのインタビューの中で、「角田は一体どうしたのか? 彼はピットでの自分の通るべき道が分からないのか?」と皮肉めいた内容の質問を提示。これに対し、ここまで角田について「傲慢」「頑固者」といった言葉で苦言を呈してきたマルコ顧問は、「おそらく、我々の視線が彼よりも高いことを自覚するべきなのだろう(笑)」と“身長いじり”のジョークを返すにとどまった。
「白線越え」の件について、角田自身は「前回のレース(シュタイアーマルクGP)と同じようにやっていたのが、今回はペナルティーを受けた。今後は同じことはしない」と語り、ミスを繰り返した原因として、チームが2度目のピットストップまでペナルティーのことを連絡していなかったと明かしている。とすれば、チーム(グループ)としてはこれ以上、追及することではないのだろう。
この違反の他、トラックリミット、進路妨害によって、これまでにペナルティーポイント(12か月間で12になったら1戦出場停止)4を科せられているルーキー。まさに、高い授業料を払いながら様々な経験を積み重ねているといったところだろうが、一方でこの2戦では“悪癖”のクラッシュはなく(ターン9でスピンは喫したが)、予選ではしっかり好タイムを出すなど、進化は見せていると言えよう。果たして次のイギリスGPでは、彼のどちらの面が見られるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部