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「単なる銅メダルではない!」“史上初”の五輪メダルを獲ったビロディドに母国ウクライナは歓喜「最高の形だ」

THE DIGEST編集部

2021.07.25

表彰台ではスッキリした表情を浮かべたビロディド。準決勝で対決した渡名喜とも健闘を称え合った。(C)Getty Images

 思わず涙が溢れ出た。

 東京オリンピック2日目となる7月24日に行なわれた女子柔道の48キロ級で、世界女王のダリア・ビロディドは、3位決定戦でシラ・リショニー(イスラエル)に勝利。ウクライナの女子柔道史上初となるメダルを獲得した。

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 世界ランキング1位として3回戦から登場したビロディドは、初戦のミリカ・ニコリッチ(セルビア)を技ありでの優勢勝ちを収めると、カタリナ・コスタ(ポルトガル)との準々決勝は延長1分28秒に崩上四方固で一本勝ち。迎えた準決勝では日本の渡名喜風南(パーク24)と激突するも、延長3分に横四方固で一本負けを喫した。

 金メダル最右翼と言われていた彼女だけに、この時ばかりは茫然自失となるが、すぐに切り替えた。そしてリショニーとの3位決定戦では、見事な崩袈裟固で一本勝ち。ウクライナ柔道界に名を刻んだ試合後には、人目をはばからずに涙を流した。
 
 男子73キロ級で3度の五輪出場を果たした父ゲンナジーさんの影響と、自身と同じ48キロ級の谷亮子(旧姓・田村)に憧れ、6歳から柔道に励んできたビロディド。弱冠20歳で立った初の夢舞台で、母国民に届けた希望は計り知れない。

 無論、ウクライナ・メディアは歓喜に沸いている。地元紙『TCH』は、「これは単なる銅メダルではない。ウクライナの女子柔道界史上で、最初のオリンピックメダルだ」とビロディドの栄誉を称えた。

「ダリアは準決勝で惜しくも日本人のトナキに敗れたが、そこからしっかりと切り替えていた。3位決定戦では見事な一本勝ちを収め、自らの戦いを最高の形で飾った。ダリアを感情の嵐が襲ったのは想像に難くない。彼女は嬉しさのあまり涙を堪えることができなかった」

 もちろん、ビロディドは世界ナンバーワンの実力者として金メダル獲得を望んでいただろう。しかし、すぐさま敗戦を受け入れ、堂々と3位決定戦に臨んだ姿に、"世界女王"たる所以が見えた。

構成●THE DIGEST編集部

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