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「日本が最も涙を流した瞬間」聖火リレー登場の長嶋茂雄にスペイン紙が注目!国民を感動させた背景を解説

THE DIGEST編集部

2021.07.26

日本野球界のレジェンド王氏(左)、長嶋氏(中央)、松井氏(右)の登場に日本中が沸いた。(C)Getty Images

 東京オリンピックは7月23日に開会式が行なわれ、各国の選手が集った新国立競技場では様々な演目が披露された。

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 この後、全国を巡ってきた聖火が到着。女子テニスの大坂なおみによって聖火台に灯火されたが、競技場内でのリレーの中で最も注目されたのは、元レスリングの金メダリストである吉田沙保里氏と野村忠宏氏から聖火を引き継いだ、長嶋茂雄氏、王貞治氏、松井秀喜氏という国民栄誉賞を授けられたプロ野球界のレジェンド3人だった。

 これには、米国MLBの公式サイトもすぐに反応。ニューヨーク・ヤンキースで10年間プレーし、現在も同球団の特別アドバイザーを務める松井氏はもちろん、長嶋氏、王氏のプロフィールや日本球界での実績を紹介している。

 欧州ではスペインのスポーツ紙『AS』も、日本のレジェンドに注目。特に長嶋氏に焦点を当て、「友人である王氏と"弟子"の松井氏とともに、聖火リレーの一部を担った」と報じ、これを「開会式で日本が最も涙を流した瞬間」と表現した。
 
 その理由として、長嶋氏が日本で最も人気のあるプロ野球において最も著名な選手のひとりだったこと、また野球日本代表の監督として2004年にアテネで五輪(銅メダル)の舞台に立つはずだったのが、同年3月に脳梗塞を患ったことで、チームを離れざるを得なかったという、歴史的、個人的な背景を説明している。

 そして、長嶋氏が「ようやく夢の舞台に立つことができた。観客はいないが、感情を抑えることができない」と語ったこと、リハビリ中を振り返っての「凄まじいリハビリを行なった。麻痺は右手足に残り、言語能力にも影響を与えたが、1ミリでも手足を動かすためにできる限りのことをした」というコメントの他、昨年は健康問題を抱えており、大会が1年延期されたことで聖火リレーに参加できたこと、自宅地下室でトレーニングを続け、ダイエットにも努めたことも綴られた。

 さらに、「前回リオデジャネイロ大会後には最終聖火ランナーの有力候補に挙がっていた」という長嶋氏の「人生を諦めるなんて楽しくない」「どんな困難とも闘い、目標を追求する」という言葉も、同メディアは紹介している。

 その内容について賛否両論が渦巻いた今大会の開会式だが、日本が世界に誇れるこのレジェンドたちの登場は、間違いなくセレモニーをポジティブに彩ったと言えよう。

構成●THE DIGEST編集部

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