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「大きなプランターのよう」 “謙虚”な国立競技場を海外メディアは高評価。 無観客で強調されるモザイク仕様のスタンドにも言及

THE DIGEST編集部

2021.08.02

国立競技場のデザインそのものには、不満の声は上がっていないようだ。写真は女子1500m。(C)Getty Images

国立競技場のデザインそのものには、不満の声は上がっていないようだ。写真は女子1500m。(C)Getty Images

 東京オリンピックのメイン会場として、1500億円超の巨額を費やして建設された国立競技場。日程の半分を終えた今大会の後半、陸上種目、球技、そして閉会式の会場として数々のドラマを生み出していくことだろう。

 6万8000席が設けられ、本来ならば大観衆の歓声と熱気が大会を盛り上げ、選手たちにエネルギーを提供するはずだったが、コロナ禍により、スタジアムに響くのは選手と関係者の声だけとなっている。

 ただ、スタンドのそれぞれのシートを異なるカラーにしたモザイク仕様により、遠目から見るとあたかも観客が入っているように見えることに、海外メディアが注目。米国のオンラインマガジン『SLATE』は「5つの異なるアースカラーで彩られた、森の模様のモザイクによって、無人でもスタジアムが生きているように見える」と綴り、設計者である隈研吾氏の「偶然にも、このアイデアはコロナ禍の現状に完全に適合した」というコメントを紹介している。
 
 また、同メディアはこの新たな国立競技場のデザインにも言及。これまでの五輪のメインスタジアムが「レガシー」として、東京の旧国立競技場や2008年北京大会の「鳥の巣」のようなデザイン的にも際立ったものが少なくなく、今回も当初はザハ・ハディド氏の設計案による奇抜で未来的な「自転車ヘルメットのようなデザイン」(同メディア)が予定されていたものの、建設費が高すぎるなどの理由により、現在のものに変更となった。

 同メディアは、現在の国立競技場について「“誇り高き強大なスタジアム”とは真逆の方向性に進んだが、無観客という“悲劇”の中で、それは適切だった。旧国立競技場は1960年代の高度経済成長を遂げた日本を象徴するものだったが、『新しい時代のコンセプトは“拡大”ではない』という隈氏の主張通り、新スタジアムは限りなく“謙虚”であり、周囲に溶け込み、巨大ながらも、できるだけ目立たないよう、シンプルな楕円形で、周囲の森に同化するように施されている」と綴っている。
 

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