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「なぜ石川ではなかったのか?」中国人記者に訊いた卓球女子団体決勝の印象。日本のオーダーに首を傾げる【東京五輪】

江國 森(THE DIGEST編集部)

2021.08.06

ダブルスを組んだ平野(左)と石川(右)。シングルスで先に登場したのは前者だった。写真:JMPA代表撮影

 8月5日、東京五輪・卓球競技の女子団体戦決勝が行なわれ、日本代表(伊藤美誠、石川佳純、平野美宇)が中国代表(陳夢、孫穎莎、王曼昱)と対戦突。0-3で敗れ、銀メダルに終わった。

 第1試合のダブルスで石川/平野ペアが、陳/王ペアに1-3で敗れると、続く第2試合はエースの伊藤がシングルスの準決勝で完敗した孫に1-3で敗北。第3試合では平野が王にストレート負けを喫し、悲願の団体金メダルの夢が絶たれた。

 今大会、卓球を精力的に取材している中国の大手スポーツサイト『新浪体育』のシュウ・チョウ記者にこの試合についての印象を訊いてみた。

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 個人的な意見としつつも、「どうして3試合目を平野選手にしたんですかね。僕は石川さんのほうが積極的に攻められるので、いいと思っていました」と日本のオーダーに首を傾げた。

「僕はサイズがあって攻められる王選手をとくに評価しています。ぶつけるなら、石川選手のほうが良かったと思うのですが……」

 それでも、日本の卓球チーム全体の結果については、「まだ男子団体の3位決定戦が残っていますが、すでに3つのメダルを獲り、混合ダブルスでは中国を破って金メダルも獲った。素晴らしい成果だと思います」と称え、こう続けた。

「今日は中国が勝ちましたが、日本が我々の最大の脅威であるのは、間違いありません。とくに伊藤選手と張本(智和)選手は、もっとも中国を脅かす存在であると誰もが思っています」

 最後に、「日本は若い選手が次々に出てきますが、中国も同じです。ただ、日本のような好敵手がいるから、中国も強くなれるのです」と日本の成長が中国にも好影響を与えていると語ったシュウ記者。はたしてこの卓球大国に、日本はどこまで迫れるか。両国のライバル関係はこの先も続いていく。

取材・文●江國 森(THE DIGEST編集部)