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浮き沈みの前半戦を終えた角田裕毅にレッドブル顧問が檄!「彼の頭はヘルメットを被るためだけのものではない」

THE DIGEST編集部

2021.08.10

前半戦最後のハンガリーGPは6位と過去最高成績を残した角田。後半戦ではさらなる浮上を期待したい。(C)Getty Images

前半戦最後のハンガリーGPは6位と過去最高成績を残した角田。後半戦ではさらなる浮上を期待したい。(C)Getty Images

 全23戦のうちの11戦を終えた2021年F1世界選手権。今季デビューしたスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅はここまで、5レースで入賞を果たして18ポイント(13位タイ)を獲得した一方で、ミスによって幾度か車をクラッシュさせ、自らチャンスを逸してしまうこともあった。

 このような浮き沈みのあるデビューイヤーを歩んでいるルーキーに対し、以前から彼をポジティブに評価していたアルファタウリのチームプリンシパルでフランツ・トストは、改めて「ユウキは我々とともに、正しい方向に進んでいる」として、満足感を示している(オランダの専門メディア『RN365』より)。

 これまでにも何度か、トスト代表はルーキーにとって現在のF1は非常に難しいものであり、慣れるのには相当な時間を要すると考えている。その中で、角田はよくやっていると評価、その学習能力は非常に高いと見ている。ただ、その一方で「彼は少し“やる気”が強すぎる」とも指摘する。そして、その事例として角田の最も直近のレースであり、最終的には自己最高の6位入賞を果たしたものの、予選までの全セッションで苦しんだハンガリー・グランプリを挙げた。

「彼は最初から、とても速かったが、今になって考えると、少し“速すぎた”のかもしれない。だから、少し減速してできるだけ多くのラップを重ねる方がいいと伝えた。そうすることで、ラップ毎に多くのことを理解できるからだ。我々の車は優れており、無理をする必要がなく、多くの周回によって多くの経験を積むことができる」
 
 一方、レッドブル・グループの顧問であるヘルムート・マルコ博士は、角田に対して少し厳しいコメントを発している(オランダの専門メディア『F1 MAXIMAAL』より)。

 現在、同グループは来季のドライバーラインアップの決定に向けて動いているが、マルコ顧問によれば、それは「サマーブレイクが開ける頃」になるという。アルファタウリに関しては、ピエール・ガスリー、角田ともに残留は確定的といわれているものの、マルコ顧問はガスリーについては「彼はここまで最高のシーズンを過ごしている。チームのリーダーであり、重要な存在であり、彼のおかげでアルファタウリは強力なチームになった。私は、彼をチームに留まらせ続けたい」と絶賛するも、角田については以下のように語っている。

「ユウキにはもっと期待している。彼の頭はヘルメットを被るためだけにあるのではなく、考えるためのものでもある。彼はとても若く、良いメンタリティーを持っているが、一方で不必要なミスを犯しがちだ。ただ幸いにも、ユウキにはまだ、来季に向けて自身の力を証明する時間がある」

 このコメントは文字通り、アルファタウリのシートに収まり続けられるかはまだ分からないということを示している一方で、マルコ顧問からの期待の高さを表わしてもいる。このサマーブレイクで英気を養った角田が、後半戦で首脳陣を納得させるパフォーマンスを一貫して発揮し続けられるかに要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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