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バレーボール

バレーボール日本代表の福沢達哉が「最後のメッセージ」。引退試合で“親友への感謝“と“新鋭への期待“を吐露

北野正樹

2021.08.15

引退セレモニーで、清水邦広とケーキカットをする福沢達哉(右)。写真:北野正樹

引退セレモニーで、清水邦広とケーキカットをする福沢達哉(右)。写真:北野正樹

 バレーボール日本代表のパナソニック・福沢達哉(35)が8月14日、大阪府枚方市のパナソニックアリーナで引退試合を行なった。西田有志(ジェイテクト-イタリア・ビーボバレンティア)や高橋藍(日体大2年)ら、29年ぶりの準々決勝進出で東京五輪を沸かせた次世代の選手らに「自分たちが見せることが出来なかった高みを、さらに次の世代まできちんとつないでくれると期待している」と、男子バレーの完全復活を託した。

 五輪代表の12人から外れ、7月14日に、現役を引退し社業に専念することを発表した福沢。十分なトレーニングが出来ないままチームに合流したが、1か月以上のブランクを感じさせないプレーを、約700人のファンらの前で披露した。

 笑いを誘うようなSNSでチーム情報を発信するなど、ファンを意識したチーム運営を目指しているパナソニックらしく、笑いあり、涙ありの引退セレモニーが盛りだくさん。最後は中学時代からの知り合いで、パナソニック入社後は大親友の清水邦広が「好きを通り越して、親友も通り越した。気持ちを込めて用意した」と、ウエディングケーキをコート内に持ち込み、披露宴よろしく2人で入刀すると、場内は笑いに包まれた。セレモニーでは、2008年北京五輪主将でサントリーの荻野正二・前監督や、東京五輪代表入りをともに戦ったサントリーの柳田将洋も駆け付け、花束を贈呈した。
 
 右膝の手術をしたばかりで、福沢と同じコートではワンプレーしかできなかった清水が「まだ1年は出来る」と翻意を求めると、福沢は「ちゃんと準備すれば、1シーズンはプレーが出来る」と真顔で応える場面も。

 しかし、福沢は「僕のセカンドキャリアへの道が始まる。会社の中で結果を出していくのはもちろんだが、元バレーボーラー、元アスリートとして何が出来るのか、後輩に道を示し選択肢を増やしたい」と、決断に迷いがないことを改めて示した。

 清水とは、大学生で日本代表に選出され、北京五輪に出場。しかし、1勝も挙げることが出来なかった。「五輪での借りは、五輪で返そう」と、2人で東京五輪を目指してきたが、清水は五輪代表に選ばれ、福沢は最終選考で代表から外れた。
 

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