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バレーボール

バレーボール日本代表の福沢達哉が「最後のメッセージ」。引退試合で“親友への感謝“と“新鋭への期待“を吐露

北野正樹

2021.08.15

 五輪のバレーをテレビで観戦した福沢。「頑張れ」という思いと同時に、「なぜ、そこに自分はいないのだろう」「自分ならこういうプレーが出来る」など、「嫉妬も感じた」という。「アスリートの引退は難しい。40歳を超えても同じ気持ちだと思う」と、アスリートとして複雑な思いを吐露した。

 五輪メンバーを選考する「FIVBネーションズ・リーグ」を前にした合宿で、福沢は腹筋を肉離れし、練習に参加できない時期もあったと明かす。それでも「いくら実力があったとしても、そこに対する準備が出来ていなかったら仕方がないし、運もある。世の中、結果がすべてだが、どんな結果になっても、次に進むだけの糧がある。なにかしら拾えるものは必ずあるので、それが、また自分を強くさせてくれる。それを強く感じながらここまでやってきた。そういう姿を見せることがアスリートの価値だと思う」と、悔いはないという。
 
「(フランスのプロリーグにいて)2年間、着ることのなかったパナソニックのユニホームを着て、パナソニックアリーナでファンの方の前でプレーして終われて幸せ」と福沢。

 来週からは、本社広報部員として新たなチャレンジが始まる。「まだ、仕事をしたことがないので、どこが自分の輝ける場所なのか、まだわからない。会社に求められることをきちんとこなし、これまで経験してきたことを還元したい」と話し、将来のパナソニックでのバレーの指導者の道については「『絶対にやりません』とは言わない」と、可能性は否定しなかった。

 北京五輪から13年後、福沢、清水と同じように、大学生コンビの高橋、大塚宣達(早大3年)も五輪代表入り。「僕らはポジションが違い、同級生。2人は同じポジションで、大塚が1学年上と違いはあるが、合宿でも2人で話し合っていた。一緒に高みを目指す仲間の存在がどれだけ貴重か、身を持って体験した。それを当たり前と思わず、ライバル心を持ちながら同志としてやっていくことが、日本の男子バレー発展につながる」と、新鋭に期待を寄せた。

文●北野正樹(フリーライター)

【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。

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