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モータースポーツ

角田裕毅のF1前半戦を専門メディアが厳しく評価「チームにお金とポイントを犠牲にさせた」

THE DIGEST編集部

2021.08.17

前半戦はミスが目立った角田。徐々に増してきた安定感を後半戦の走るにつなげたい。(C)Getty Images

前半戦はミスが目立った角田。徐々に増してきた安定感を後半戦の走るにつなげたい。(C)Getty Images

 今季、スクーデリア・アルファタウリでF1デビューを飾り、ここまで11戦を終えた角田裕毅。ここまで、5戦で入賞を飾り、通算18ポイントを獲得している。

 ルーキーとして、全てのレースが初体験となることを考えれば、この結果はある程度ポジティブに捉えるべきという意見も少なくないが、一方で不必要なミスが多く、これによってチャンスを逸しているという指摘もあり、その評価はレース毎に上下動しているのが実情である。

 スペインのモータースポーツ専門メディア『MOTORLAT』は、今季前半戦を振り返り、「優秀な成績を残した5人」と「改善が必要な5人」を選出。角田は残念ながら、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、ニキータ・マゼピン(ハース)とともに後者に含まれている。

 寸評では「レッドブルのアカデミーで経験を積み、今季よりF1に挑戦した2000年生まれの日本人は、ここまでのパフォーマンスに完全には納得していない。ルーキーのため、浮き沈みがあることは予想されており、バーレーンでファンを納得させて喜ばせた一方で、多くのアクシデントにより、イタリア・ファエンツァのチームにお金とポイントを犠牲にすることを強いた」と綴り、さらに以下のように続けている。
 
「ルーキーの現時点での最高結果は、ハンガリーGPの7位(アストンマーティンのセバスティアン・ヴェッテルが失格となったことで繰り上げ6位)で、通算獲得ポイントは18。これは、チームメイトのピエール・ガスリーの50ポイントとは大きく離されており、レッドブル・グループのヘルムート・マルコ顧問を満足させていないようだ」

「おそらく、この若いドライバーは2022シーズンもアルファタウリでそのドライビングを見ることができると思われるが、今季後半戦ではこれを正しいものと証明するため、前半戦のミスを繰り返すことなく、ガスリーとの差を詰める必要がある」

 なお、「優秀な成績を残した5人」に選ばれたのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ランド・ノリス(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)、そしてガスリー。角田の“ターゲット”となるフランス人については、「現時点で、最も優れた、最も安定感のあるドライバーのひとりであることは明らかだ」との賛辞が贈られている。

 ルーキーとして擁護されるべき部分と、性能の高い車と躍進を目指すチームという恵まれた環境に身を置いていることによって厳しい見方を強いられるという部分の両方を持つ角田。チームのフランツ・トスト代表からは「正しい方向に進んでいる」と評価される一方で、マルコ顧問からは「力を示す必要がある」と檄を飛ばされている21歳は、後半戦で進化を示して、各国メディアの評価を変えることができるか。F1は今月末のベルギーGPで再開される。

構成●THE DIGEST編集部

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