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角田裕毅は「間違った夢を見ていた」とトスト代表が指摘。専門メディアは後半戦のパフォーマンス向上を予想

THE DIGEST編集部

2021.08.25

中断前の数レースは安定したレースを見せていた角田。後半戦ではミスを減らして首脳陣を納得させたい。(C)Getty Images

中断前の数レースは安定したレースを見せていた角田。後半戦ではミスを減らして首脳陣を納得させたい。(C)Getty Images

 2021年F1世界選手権は今週末のベルギー・グランプリで再開。ここまで浮き沈みのあるルーキーイヤーを送っているスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅にとっても、勝負の後半戦が始まる。

 デビュー戦となった開幕戦バーレーンGPでいきなり入賞を果たすなど、ここまで通算18ポイントを記録している彼は、しかし一方で不要なミスでさらなるポイント獲得のチャンスを逸するなど、相反する側面を示しており、ここまでレース毎に見る者の評価が大きく変わる不安定なキャリアを過ごしてきた。

 これについては、レッドブル・グループのヘルムート・マルコ顧問が「傲慢」「秩序に欠ける」などの厳しい言葉で苦言を呈してきたが、対してアルファタウリのフランツ・トスト代表は20歳のルーキーを擁護。「正しい方向に進んでいる」と評価を下すとともに、現在のF1がいかにルーキーにとって厳しいものかを強調している。

 トスト代表は、角田が「間違った夢」を見ていたと主張(英国の専門メディア『THE RACE』より)。「別のカテゴリーからやって来て、ミスなくF1マシンをコントロールし、すぐに成功できると考えていた」との指摘に対し、角田は「予想以上に難しかった」と前半戦を振り返っている。チーム代表によれば、F1で成功するには「ハードワークをし、規律を守る必要がある」という。
 
『THE RACE』は、角田が第2戦エミリア・ロマーニャGP以降で多くのミスを犯し、「今季ここまでに学んだことを活かせていない」と厳しく評する一方で、彼がF1で1年目であることに加え、F3、F2にも1年ずつしか参戦しておらず、とにかく経験が少ないことを強調。その上で、彼には時間が必要であり、同僚のピエール・ガスリーに少しでも迫れるようにポイントを獲得し続ける必要があるものの、来季もアルファタウリに残れると綴っている。

 オランダの専門メディア『GPBLOG』も「角田のシートは危険に晒されているか?」という検証記事の中で、F1における彼の浮き沈みの歩みを振り返っており、取り上げられたのはネガティブな事象の方が多いものの、やはり経験の少なさが原因として挙げられ、F3、F2を1年でクリアした角田はF1に相応しく、時間の経過とともに自信を得るにつれて、そのパフォーマンスは向上し続けるはずと明るい展望を示した。

 また、彼のシートを脅かす存在として、現在はレッドブルのリザーブドライバーを務めるアレクサンダー・アルボン、またレッドブル・ジュニアプログラムのリアム・ローソン、ユーリ・ヴィップスなどを挙げているものの、最終的には「現時点では角田こそが、アルファタウリのセカンドドライバーとして最良の選択肢だ」と結論付けている。

 このように、結論を下すには早すぎるというのが、大方の見方であるようだが、ベルギーGP以降の角田は、少なくとも前半戦の経験を活かす必要がある。その上で、パフォーマンスの進化を示してチームへの貢献度を高められるか。厳しい挑戦に臨む20歳の奮闘に要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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