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バレーボール

バレー男子がアジア制覇に王手! 石川祐希が決勝の先に見据えるものは?「ここでチャンピオンにならないと、世界では勝てない」

北野正樹

2021.09.19

石川祐希が率いる日本は、19日の決勝でイランと対戦する。(C)Getty Images

石川祐希が率いる日本は、19日の決勝でイランと対戦する。(C)Getty Images

 9月18日、バレーボールの男子日本代表は千葉ポートアリーナで開かれたアジア選手権準決勝で台湾を3-1で撃破。見事に決勝進出を果たし、上位2チームに与えられる2022年の世界選手権(ロシア)の出場権を獲得した。

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 第1セットを25-16で快勝した日本だが、第2セットは終盤のサーブミスなどもあり22-25で落とす。第3セットも終盤に台湾の粘りにあったが、主将の石川祐希(ミラノ)のポイントなどで25-21で逃げ切ると、第4セットは25-20で退けた。

 試合後、リモート会見に応じた中垣内祐一監督は「この大会では上位2チームに入り、世界選手権の切符を取ることが目標だった。五輪時のメンバーとは違いコンディションなどもある中での大会だが、出場する以上ベストを尽くして勝ちに行く」と優勝を見据えた。

 また、53歳の指揮官は台湾戦を「我々のプレーが出来ていないところもあるが、(台湾は)年々、着実に力をつけてきている」と総括。そのうえで「私が選手時代の20年、30年前にはアジアで強い国は日本、中国、韓国くらいで、誰が出てもセットは落とさなかった。今は外国人監督を招くなど腰を据えて強化しており、年々脅威になってきている」と強調した。

 さらに脚の状態が万全でない高橋藍(日体大2年)に代わり先発出場して活躍した高梨健太(名古屋)については、こう評価する。

「この大会に限らず、チームのピンチに出て活躍してくれるスーパーサブ的な活躍をしてくれる。ディグ(スパイクレシーブ)も何本かいいものがあり、救われた感がある」
 
 当の高梨は「世界選手権の切符を取れたことは非常にうれしい。先発、途中からのこだわりはない。途中から出れば流れを変え、スタートならどれだけ苦しい展開でも勝ち切ることを考えている」とチームが勝つためのピースになる意欲を口にした。

 無論、チーム精神的支柱でもある主将は、優勝のみを見据えている。「目標の世界選手権の切符を取れたことはよかったが、目指しているのはこの大会での優勝」と語る石川は、「五輪後のタイトなスケジュールの大会という難しいなかで結果を残せたことは評価できる」とチームメートを称えたうえで、ファイナルの相手となるイランについて、こう論じた。

「世界選手権は五輪につながる大会。アジアでチャンピオンにならないと、世界では勝っていけない。イランも五輪時とメンバーは違うが、この先、勝っていくための新しいスタートになると思う」

 はたして、日本はアジアの頂点に立てるのか。2024年パリ五輪に向けて、重要な一戦となりそうだ。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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