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ゴルフ

“ピンチの連続”から6打差完勝を飾った勝みなみ。無双状態となった要因、そして屈指の飛ばし屋に変身した理由とは?

山西英希

2021.10.05

笑顔でトロフィーを掲げる勝。2位に6打差をつける圧勝劇を見せた。(C)Getty Images

笑顔でトロフィーを掲げる勝。2位に6打差をつける圧勝劇を見せた。(C)Getty Images

 5位タイに入った渋野日向子が、勝みなみだけ違うコースを回っていると思うとコメントしていたが、観戦していた誰もがそう思ったのではないか。

 開催コースの烏山城カントリークラブは名匠・井上誠一の設計による難コースで、最終日はどの選手もスコアメイクに苦労していた。そんな状況で勝は6バーディ・1ボギーの「66」を叩き出したのだ。首位発進の選手にベストスコアを出された以上、誰も追いつくことはできず、2位以下に6打の大差をつけて、勝が今大会初優勝を飾った。

 会見では「今年はメジャー大会に勝ちたいという目標を立てていたので、優勝することができて本当にうれしいです。特に『日本女子オープン』は夢の舞台ですし、いつか優勝したいと思っていました」と満面の笑みを浮かべた勝。

 これで『日本ジュニア』、『日本女子アマ』、『日本女子オープン』ローアマに続く、日本タイトル4冠目となり、史上3人目の快挙達成となった。
 
 結果だけを見れば楽勝に感じるが、スタート時はピンチの連続だった。

 特徴として、砲台グリーンの周囲を短くカットされていた今大会。ボールが少しでもグリーンをこぼれると、はるか下まで転がり落ち、打ち上げのアプローチが必ず残るセッティングになっていた。しかも、ピンの根元が見えないほどの打ち上げで、ラフから打つことになる。ピンの位置によっては、ボギーどころか、ダブルボギーの可能性すらあった。

 スタートの1番パー4で勝はいきなりその罠につかまる。右のラフから第2打がグリーンをとらえたものの、奥のラフにまで転がり落ちてしまったのだ。

 しかし、アプローチで寄せ切れずに約4メートルのパーパットを残したなかでも、それをきっちり沈めることに成功。思わずガッツポーズが出たほど大きな1打だった。

 さらに、2番パー4でもティショットを右に曲げた後、2打目がグリーン手前のラフにつかまる。今度はパーパットが約5メートル残ったが、またも沈めてガッツポーズを見せた。仮にどちらかがボギーだったら、違った試合展開になったかもしれなかっただろう。
 
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